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読書クラブ <小学生>
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レベル |
− |
目 的 |
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対 象 |
小学生 |
科 目 |
国語(読書) |
期 間 |
随時 |
授業形態 |
− |
実施曜日 |
月〜土 ※土曜日は9:30〜12:20 |
実施時間 |
16:30 〜 20:50 |
クラス編成 |
小1〜小6(小学生全学年) |
教材 |
− |
現代っ子と読書
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発達段階から見た読書の傾向 |
心やからだが成長していくのと同様、読書にも成長(発達段階)があります。その姿は、読みとる力や読む速さなどの読書能力の発達として見られますが、そのほか、どんな本を読むかといった、読書興味の面からも知ることができます。
これから、子どもの発達段階の特長を、小学初級・中級・上級と、それぞれについて簡単に述べますが、これはあくまでも一般的な状態をあらわしたもので、個々の読書の傾向は性格や生活環境などによって違うのは当然ですから、おおまかな傾向としてとらえていただきたいと思います。 ■小学初級=読書入門期 (1) 習い覚えた文字を使いながら、ひとりで本を読むことができるようになる。 (2) 文字はどうにか読めても、ことばや文章から、イメージを頭の中に描き出す力はまだ弱い。 (3) 筋はこびが単純ではっきりしているお話や、空想の世界の楽しい物語を喜ぶ。 ■小学中級=読書発展期 (1) 変化の多い話の筋を読みとれるようになる。 (2) 行動が活発になってくるのにともなって、読書も変化に富んだもの、主人公が自由奔放に活躍する活 動的な話や、奇想天外な物語、ユーモアにあふれた物語を喜ぶようになる。知識欲も増してくるので、 知識のための本なども好むようになる。 (3) 本好きな子と、本を読みたがらない子との個人差がはっきり出てくる時期。 ■小学上級=読書充実期 (1) 複雑な物語を読み味わうことができるようになり、本の選択も自主的にできるようになる。 (2) 読書力がつくにつれて、読書意欲も高まり、読書量もぐんぐんふえる。 (4) 本の好みに男女差が出てくる。男の子は冒険物語やSF、探偵物語など。女の子は友情物語や生活童 話などを好む傾向がある。 子どもの読書は、ほぼこのような段階を経て伸びていきますが、とくに大切なのは、本好きな子どもと、本 を読みたがらない子どもとの個人差がはっきり出てくる、小学中級の時期です。 次の表をごらんください。これは、同じ四年生でも読書能力の差が、下は幼児期の能力しかない子がいるかと思うと、上は中学二年生の読書能力がある子もいるという表です。 <小学校4年での読書能力の個人差> (数字は%) 読書能力 幼児 小1 小2 小3 小4 小5 小6 中1 中2 中3 小学4年 0.4 2.1 8.6 21.5 36.5 25.9 4.2 1.0 0.8 0.5 坂本一郎「読書の心理と指導」 同じ小学校四年生でも、読書能力の差は、こんなに出てくる場合があるのです。この差は小さい頃から本に親しんできたかどうかで左右されますが、とくにひとり読みを始める小学二年生の半ば頃から、自然に読書の習慣を身につけることができたかどうかが、大きな鍵となります。 その一番大事な、小学中級期の読書について詳しく述べましょう。 |
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読書相談
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〜〜〜 考えてみよう子どもの読書 〜〜〜
現代っ子の読書には、どんな問題があるのでしょうか。読書相談によくでる質問をとりあげてみました。 |
●テレビやプラモデルに夢中で、本を読もうとしない |
【【 質 問 】】
テレビ、プラモデル、野球などに夢中になっていて、いつまでたっても本を読もうとしません。何とかして読書させたいと思うのですが、どうしたらよいでしょう。 【【 回 答 】】 まず最初に、本を読もうとしないのはテレビやプラモデルに凝りすぎていることだけに原因があるのかどうか、考えてみなければならないと思います。 欲しがるプラモデルやゲームを自由に買い与えたり、家族のみんながテレビを見ている中で本を読みなさいと強制したり、あるいはまだ本のおもしろさがよく判っていない子どもに、無理にむずかしい本をすすめたりしていながら、本を読まないのはテレビやプラモデルのせいだと決めつけていないでしょうか。 大人は、ややもするとテレビやゲームをやめさせて、すぐにその代わりとして本を持ってきたがるものです。でも、そうする前に、まず読書をしない原因が、大人の側にもないかどうか、よくつきとめてから、次のような手だてを考えてみてください。 まず大好きなテレビ、ゲームやプラモデルに接する時間の中に、少しずつ本をいれていくことです。これは親が一方的に決めないで、機会をとらえて話合いで日課の中に組み入れるようにします。 第二に、子どもが自分から手をのばすような、子どもの欲しがる本だけを与えていたのでは、とても子どもは、本好きにはなれません。 第三に、時には子どもと本を通して話し合いの機会をもつことです。活動的で変化を好むこの時期の子どもにとって、著者との一対一の対決は、退屈でやりきれない場合もあるわけです。そんなときに、現実の話し相手があるということは大きな支えになります。 とにかく性急に「テレビばかり見ないで本を読みなさい。」というような解決の仕方は、長続きしないばかりか、かえって本ぎらいにしてしまいます。 |
●ひとり読みを始めたが放っておいてよいか |
【【 質 問 】】
小学一年生の女の子ですが、ひとり読みを始めました。でも、まだ一人で読むのは無理のように思われますが、本人が自分で読むと言ってききません。放っておいてよいものでしょうか。 【【 回 答 】】 両親などから本を読んでもらう「耳からの読書」から、そろそろ自分で読む本格的な読書の入り口にさしかかっておられるようです。 しかし、まだ、長い物語は無理です。この時期では、短編をこなす程度の力だと思ってよいでしょう。それでも、子どもは一冊の本を読みあげたいという気持ちを持っています。 それは大事にしてあげたいものです。 そこで、同じ主人公の登場してくる連作のようなものをまとめ、一冊にした本を与えるのがよいでしょう。 たとえば「小さいモモちゃん」(松谷みよ子)などは、モモちゃんと主人公の登場する短編集のような形の本です。一つ一つは短い作品ですから、無理なく読み切れますし、この本の作品をみな読めば、かなりの分量の本を一冊読みあげたと同じ満足感に満たされるでしょう。 参考までに・・・ 「ピグルウイグルおばさん」などは、そうしたものとして、格好の本と言えます。そして、だんだん、「チワンのにしき・太陽のむすめ」や「しっぽをかえたウサギ」のような中編へすすむように、細かい配慮をしてあげてください。 |
●自分で読もうとしない |
【【 質 問 】】
小学校二年の男の子です。小さい時からお話好きにしようとして、読み聞かせをしていましたが、自分で読もうとはしません。読んでやると熱心に聞くのですが。 【【 回 答 】】 普通のお子さんは、読んでもらってその物語が気に入れば、あとから自分でその本を手にするものです。 読み聞かせている本が問題ですね。おかあさん好みの物語ではありませんか。美しい抒情性の豊かな物語などよりも、この時期のお子さんは、活動的で登場人物の行動がはっきりした筋の物語を好みます。「読む」ことは「聞く」ことよりたいへん苦労をともなうものですから、それを乗りこえるおもしろさをもった本でないと、お子さんがかわいそうです。苦労ばかり強いては読書ぎらいにしてしまいます。 自分と同じような、やんちゃな子どもが出てくる物語、思わず吹きだしてしまうような物語、憎い悪者をやっつけて胸がすっとするような物語、そんな本を与えることをまず第一に考えるべきです。 それから読書の面だけでなく、お子さんの他の生活面も反省してください。おかあさんがあまり手をかけ過ぎていませんか。一人っ子や大人の多い家庭では、お子さんの自立心の芽を知らず知らずのうちに摘んでしまうことがあります。大人に頼ろうとする安易な気持ちを少しずつ改めないといけません。身の廻りの始末とか宿題など、ごく一部ずつ、お子さんの成就感が得られるるような方法で改善していきましょう。 |
●図鑑ばかり見ている |
【【 質 問 】】
小学三年生の男の子ですが、図鑑ばかりくり返し見ていて、童話や物語などの読み物は少しも読もうとしません。学校の読書の時間でも、図鑑をちょっと借りてきては、すぐ返すということが普通だそうです。心配なのですが。 【【 回 答 】】 図鑑を見るのが好きなのは、一般に低学年・中学年の子どもたちの普通の姿です。これが高学年になってもそのような状態ですと、やはり読書力が不足していて、読書が嫌いという子が多いようです。お子さんの場合、三年生ですから、その心配はありません。知的興味の表れとして、珍しいことを知りたい、見たいということが図鑑に結びついているのです。 どんな図鑑をみているか、おかあさんが注意してみましょう。なんでも手当たりしだいなのか、それとも、昆虫なり、鳥なり、ある種の図鑑をよく見ているのか、それによってお子さんの個性、長所の芽生えをさぐることができるでしょう。 ところで、本を読まないということは、読書自体のおもしろさを知らないということにつきるでしょう。多くの図書の中には、ほんとうにおもしろい本があります。動物好きの子ならば、この全集の中の「学校へいったヘビ」や「ぼくのペットはフクロウ」のような動物の出てくる物語を選んではじめの部分を読んでやり、あとは自分で読むようにすすめてやるとよいでしょう。 |
●途中で投げ出してしまう |
【【 質 問 】】
学校の先生から紹介されたおもしろそうな本でも、本屋さんへ行かせて自分で選らばせた本でも、途中までしか読みません。どうでしょうか。 【【 回 答 】】 どんなにおもしろい本でも物語には起伏があります。サワリの部分だけというわけにはいきません。おもしろい場面を設定するためには、くどくど説明している部分もあります。子どもは、そういうところで本を投げだしてしまうのです。 おかあさんもお子さんの本を読んでください。 そして、お子さんの放りだしてしまった本の内容を、食事やおやつの時などに何気なく話題にするのです。お子さんが読んでいる途中でもかまいません。自分の読んでいる本について、おかあさんが感想を聞くと、お子さんは興味を深め、読み続ける励みにもなります。 しかし「おかあさんはこれこれと思うよ。だから読んでごらんなさい。」という、押しつけるような言い方はつつしんでください。お子さんといっしょに物語を楽しむという、友達のような態度で接してください。 読む力の弱いお子さんには、親子で一、二ページずつ交替で読むとか、地の文はおかあさん、会話の文はお子さんが読むという方法もありますが、これも強制的であってはぶちこわしです。 国語の勉強のような具合にならないように、その場の雰囲気を考慮しながら、親子で一冊の本を中心にした楽しいひとときになるように工夫してください。もちろん、このような方法も一回、二回では効果はありません。継続することです。 |
●読みたがる本と読ませたい本にズレ |
【【 質 問 】】
小学五年生の男の子ですが、折をみては本を買ってきて与えるのですが、さっぱり読もうとしません。いつまでたっても、マンガ雑誌や、本でも友だちから借りた推理ものぐらいしか読みません。もっと幅広く本を読んでほしいのですが。 【【 回 答 】】 親が読ませたいと思う本と、子どもが読みたがる本とのズレをどうしたらよいのかという問題ですね。 もう五年生なのですから、両親がみたてて本屋さんから買ってきて与えるのでは、子どもにとって押しつけ同然ということになってしまいます。やはりお子さんの希望も入れ、親子で選ぶことが大事です。ですから、お子さんといっしょに本屋さんに行って相談しながら選ぶような心遣いが大事です。 それと、推理ものをやめさせて他のものを読ませようとあせることは禁物です。好きな推理ものを禁止したりせず、推理調ながら、子どもの生活や友情や、そのほかの問題をからませた内容を追及している作品など、いろいろ変わった推理ものを与えるように工夫してください。 例えば、「エミールと探偵たち」(ケストナー作)とか、「リンゴ畑の四日間」(国分一太郎作)とか、あるいは、この全集の「リンゴ園のミステリー」などです。これらは、謎解きの要素の強い、しかも文学としてもすぐれた物語です。このような物語を、お子さんの好む推理ものの中に加えるような工夫から始めてください。次第に、お子さんの読物の傾向にも変化が見られるようになってくるでしょう。 |
●読む本が偏っている |
【【 質 問 】】
わたしの家の子は、童話や小説ばかり読んで、伝記や歴史・社会科・理科の本などは少しも読みません。あまりにかたよった読みかたをしているので気になります。どうしたらよいのでしょうか。 【【 回 答 】】 まず、童話や小説がおもしろいことは当然でしょう。しかも、このような児童文学は社会科や理科に無関係ではありません。例えば、宮沢賢治の「グスコーブドリの伝記」では、不況な社会状況や、気象・火山のことが描かれています。 動物を主人公にした「ながいながいペンギンの話」では、南極の様子やペンギンの生態などが細かく描写されています。 このように、よい児童文学の中には、社会性や科学性をもった作品もあるのです。ですから、童話や小説を読んでいるということは、子どもの全生活が話題となっているのだといってよいと思います。 ただ、どんな童話や小説を読んでいるか、細かくお子さんを観察する必要はありません。動物童話、探偵小説、SF、少年少女小説、歴史小説など、何か一つに偏っているかもしれませんが、いつか他の種類のものにも広がっていくでしょう。けれども、いつまでも同じ傾向の読み物に偏していたのでは、広い視野に立つことができなくなり、本人の特性や個性を発揮する機会が失われることにもなりかねません。 そこで、いろいろな主題をもつ作品が集められている、全集とかを与え、読書の幅を広げるようにしてあげてほしいのです。お子さんの興味にあった社会科や理科の内容の本へスムーズに転換できるかもしれません。食わずぎらいの子が多いのですから。 |
●よく本は読むが読みっぱなし |
【【 質 問 】】
小学四年の女の子ですが、かなりたくさんの本を読む方です。次から次へと自分の好きな本を読みあさっています。しかし、別にこれといった感想を話してくれません。ただ「おもしろかった」というだけです。このように読みっぱなしでよいのでしょうか。 【【 回 答 】】 子どもの読書についての効果を知りたいと願うあまり、「感想は?」「どこがよかった?」と子どもに読後感を聞きだすご両親がいます。しかし、このことが行き過ぎると、子どもは読書ぎらいになります。特に感想文を書くことを強いられると、読書が苦痛になります。 ですから、子どもが夢中になって本を読んでいる姿が見られれば、親はそれで満足していいと思います。子どもが本の世界にひたっている、それだけで充分といいたいのです。子どもの心の中には、よい作品の波紋が広がっています。読み終えた直後はなおのこと、子どもの心の中に、よい作品の波紋が広がっています。 子どもたちは、いま読んだ本の内容を噛みしめているでしょう。その時、「感想は?感想は?」と聞かれることは、子どもにとって迷惑なことです。親は、そっとしておいてやることが賢明だと思います。 夕食のあとなど、お子さんが自然と本のことについて話すこともであるでしょう。また、ご両親が子どものころ読んだ本についての思い出などを語ったり、最近読んだ本(大人の本でよい)について話すことから、お子さんも自分の読んだ本のことを話し始めて、本の内容や感想にまで話が発展することになるでしょう。感想文を書かせることだけは、無理強いしないでください。 |
●読み過ぎの心配 |
【【 質 問 】】
小学五年の女の子ですが、一冊の本を一日か二日で読みとばしています。ですから、読書の量もかなり多く、しかもあれこれ雑多な本を読んでいます。読み過ぎではないかと心配です。 【【 回 答 】】 五年生というと、盛んに読書する時期です。ですから読む速度もかなり速くなりますし、量も多くなるのは当然です。ことに、女の子の場合はそうでしょう。読むのが速いとか、あれこれいろいろの本を読むということ自体は問題ではありません。むしろ結構だといっていいくらいです。 ただ、つぎのようなことはないかどうか注意して見てあげてください。 友だちもほとんどなく、遊び仲間もなく、ひとりぼっちで本だけにかじりついていないかどうか。また、勉強や家の手伝いも何もせず、気持ちにまかせて読書だけしているというようなことがないかどうか。もしも、このような傾向が目立つようでしたら、それは読み過ぎとして対策を考えなければなりません。 けれども、友だちとも遊ぶようだし、読書以外の生活にも親しんでいるようでしたら心配はいりません。お子さんの日常生活の中で、読書に費やす時間がやや多いというのは、この年齢の女のお子さんにはよく見られることです。無理に止める必要はありません。ただ、どんな内容の本を読んでいるかは、それとなく見てあげてほしいと思います。 |
●勉強や塾の方が忙しくて、読書の時間があまりない |
【【 質 問 】】
幼児のころから、読み聞かせをしてやったり、子どもも自分なりにいろいろな本を読んできました。ですが、もう五年生なるので、学校の勉強や塾の方が忙しく、しばらくは読書の方は休ませたいと思いますが・・・。 【【 回 答 】】 お子さんに勉強させたいために、本を読ませないとか、読書するなら学校の勉強に役立つような本を読みなさい、というのはどんなものでしょうか。 お子さんの成長ということを、どのように考えておられるのでしょうか。塾や学校の勉強だけに集中させるということは、知った、理解した、覚えたという知識偏重に走りがちです。知識を詰めこむことだけで、成長といえないことは明らかです。お子さんのものの見かた、考えかた、感じかたを豊なものにしてやることも、大事にしなければなりません。 子どもたちは、勉強などで忙しければ忙しいほど、息抜きの時間や娯楽を求めています。 その方法として読書でそれらを満たすこともあります。 しかし、何よりも読書の役割は、本の内容により心が刺戟され、高められ、豊かになることです。 子どもが読書することは、「自分自身の内面を自分で開拓する」ということだと思います。自ら考え、自ら学び、自ら情報を整理することで、自分の心を耕すことになります。 テレビや映像文化の発達の中、お子さんが読書の習慣を築いていくことの意味を考えられ、できるかぎり時間を作って本を読むことを続けさせてください。 |
子どもの本の選び方、与え方
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〜子どもの個性と成長に合わせて本を選ぶことが大切です〜
※「学研 現代こども図書館」の本を参考図書として一部ご紹介させていただきます。 |
■小学1、2、3年生 |
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楽しくゆかいな作品を ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 文字が読めるから、もう小学校に入ったのだから、「さあ読みなさい」と突き放してしまうのはまだ無理な話です。 黙っていても、さっさと自分で読んでいる子は別ですが、小学生になったばかりのころでは、まずそういう子は例外といっていいほどです。 普通、小学校の一年生から二年生の半ばごろまでは、読み聞かせに頼ったり、せいぜい、親子で一ページずつくらい交替で声を出して読んでいく程度です。 一字一字の文字は読めても、文字の連なりによって表わされている意味はまだ読みとれない、ということを忘れてはなりません。 二年生の半ばを過ぎる頃になると、どうやら、自分で意味を読みとれ、内容をとらえられるようになってきます。 そろそろ、自分で本が読める時期に入ってきたわけです。読書について興味を失ったり、自信を無くしたりしないためにも、この時期から三年生にかけて、どんな本にその子が巡り合うかが、たいへん大事なことになります。 そこで次のように、子どもの成長の欲求と、その子の読む力に見合った本探しに、特に力を入れてあげる必要があるわけです。 まず、文句なしに、おもしろく楽しい本を選ぶことです。 奇想天外なできごとや、ユーモアにあふれた楽しい空想の世界に、子どもたちの心を思いきりはばたかせてあげましょう。 ********** 参考までに・・・ 例えば、「学研現代こども図書館」の中の「ふしぎな五百のぼうし」や「しっぽをかえたウサギ」などはそうした本です。 また、強く正しい者が、ちえとふしぎな力をもって活躍するような話は、特に男の子たちに迎えられるでしょう。 「チワンのにしき・太陽のむすめ」のような、民話の中の英雄たちの話は、その代表的なものです。 「ピグルウイグルおばさん」のように、とんちとウイットに富み、しかも子供たちの日常生活の世界を破った作品や、「おばけのボロジャグチ」みたいに、日常性の中で、空想の生みだしたオバケが奔放に動きまわる作品の世界にも、子どもたちは自由に出入りすることができるものです。 |
■小学3、4年生 |
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子どもの心に通いあう本選び ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ やがて、子どもたちは、じっとなどしていられない、いたずら盛りを迎えます。気持ちも外に広がるいっぽうの、三年生〜四年生時代の子どもたちをとりこにしてしまうような本探し、いっそうめんどうです。 出版事情も、この年代向きの本がもっとも貧しい現状にあるからです。 ********** 参考までに・・・ 例えば、「キツネの名たんてい」などは、テンポが速く、起伏にもとんだ冒険物語で、しかも謎ときや笑いの要素も加わった作品です。 じっくりと構えずに、トントンと読みとばせるマンガに走る子どもも、足をとめてくれそうな本です。 にわかにマンガ狂になったり、特定の本に夢中になるなど、不安定な時期です。 自分のやりたいこと、やりたいが思うにまかせないことを、本の主人公たちが痛快にやってのけたり、そこに、自分の姿を見出せるような作品なら、喜んで手を出す子も少なくありません。 動物との心の交流も、彼らのしたいことの一つですから、ペットの物語「学校へいったヘビ」や「ぼくのペットはフクロウ」などは、人気があると思います。 また、身近の道具や、特に機械類のメカニズムへの好奇心が強い年ごろだけに、「ぼくとわんぱくミーシカ」 の、電話のおもちゃをこわしてしまう話などは、喜ばれるでしょう。 機械のしくみがのぞきたくて分解したものの、さあ組み立てられず困った自分の体験と重ね合わせたり、ペットの話におとらぬ、強い共感をもって読まれるでしょう。 こうした、子どもの心の通いあう本選びに、先生や親は手を貸してやってほしいのです。世間で評判の高い本だから、有名な作品だから与えるといった押しつけは禁物です。 けれども、まだまだゆかいな空想物語を追うような一面も決して消えてしまったわけではないので、「リンゴの木の下の宇宙船」だの、民話調の「木の精と赤い自動車」のような本も、必要でしょう。 一方、おもしろいだけでなく、「アスパラガスで鉄砲はうてない」や「デブの国ノッポの国」に秘められている風刺も、少しずつわかるように成長してゆきます。 しかし、ひとりひとり成長の度合いや、生活興味、読書興味の安定度も異なっているので、たとえ同年齢でも、どんな本に関心を示すかに、かなりのバラツキが生じるのがふつうです。 どの子も一定の発達段階をたどるとはかぎりません。 この年代ではとりわけ、個人差を重視することを忘れてはなりません。 |
■小学4、5、6年 |
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読みの深まりを促す作品 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 四年生、五年生と成長するにつれ、好奇心よりは、知識欲と呼んだほうがふさわしいものが、子どもたちの心を占めてきます。 それに応え、それを促して、やがて本格的な知識の本に今までより多く手をのばしていくように、例えば人類の歴史や考古学的な要素の強い作品も用意してあげましょう。 ********** 参考までに・・・ 例えば、「ほら穴のふたごの冒険」は人類の歴史を教えてくれる一冊です。動物物語も、個人的なものから、生態を正しく描いた「ぼくのペットはフクロウ」や「ヤマネと少女キキ」などでないと満足できなくなります。 これは少年少女の動物への愛情をからませただけでなく、舞台となっている国の自然、風土も描き、動植物に関しての科学読物へのステップにもなっていくでしょう。 楽しい推理物語や冒険物語にしても、「りんご園のミステリー」のような、推理仕立てで友情の問題を描いたもの、「海がおそってきた」や「それを勇気とよぼう」のように、風土や民族性を背景に、勇気をもって問題に真剣にとりくむ、リアルな作品にふれるように少しずつ押し上げてやる配慮が必要になります。 けれど、高学年でも、「きみのいきたいところ」のような、イギリス風のファンタジーも必要です。 |
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低学年から中学年へと成長するにつれて、子どもたちは、単純な構成のものから多様な要素がからみあう複雑な物語へと、読み物を徐々に発展させていきます。初めはストーリーを純粋に楽しむということから、自分を見つめ人びとの心に共感したり、あるいは反発したりと、読み方が変化し多様化していきます。
やがて五、六年生の読書の最高潮期を迎えたとき、文学のみならず科学や歴史、伝記など幅の広い読書をし、それに伴い一層多彩な、しかも深みのある本の読み方を身につけていくことでしょう。 |
家庭でできる読書指導のすすめ
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