今すぐ資料請求

  • はてなブックマークに追加
  • del.icio.us に登録

TOP子育て通信第2回子育て通信(改訂版)

 

 

第2回子育て通信(改訂版)

第2回子育て通信 
子どもは変身を繰り返す生き物です。(6歳までに始まる問題)

 前回は、3歳までの子どもの成長過程を見ると共に、そこで起こって来る子育ての課題を見てきました。

今回は、6歳まで、というより小学校に上がるまでの子どもの成長過程とそこで起きてくるさまざまな問題を見ていきたいと思います。
 

子どもの大脳の重さは、産まれてから六歳くらいまで急激に重くなっていきます。それからなだらかな曲線が二〇歳まで続き、以後減少に転じます。人の脳細胞の大部分は、産まれると共に減少を始めます。一部増加する部分もありますが、全体的には減少していきます。それなのに、大脳の重さが増加するのは、経験した情報を蓄積するために、大脳細胞と大脳細胞をつなぐ軸索や情報をやり取りするシナプスと言われる部分が増えていくからです。

3歳までの情報は、周りからの話しかけとか目に見えるものなど、どちらかと言うと受け身でも入って来る情報が多いのですが、3歳を過ぎると言葉も多くなりますし、行動も活発になり、子ども自ら周囲の世界に興味関心を持ち、積極的に学習するようになります。

ここでいう学習とは、小学生が行うような学習ではなく、新しい出来事に驚いたり、感心したり、大人がやることをまねてみたりという行動を伴った学習です。

この、学習量が大脳の発達に大きな役割を果たしています。ですから、この時期の学習量の差が、大脳の発達の差として現れます。この時期に、活発な活動をさせないと、大脳の発達だけでなく、体の発達も遅れることが知られています。

六歳まで急激に大脳の重さが重くなるということは、この時期の学習量がいかに多いかということを物語っています。

子どもは、最初は遠くが見えません。一歳の子どもは手の届く範囲くらいしか見えませんので、手の届く範囲の世界にしか興味関心を持ちません。三歳くらいになっても、せいぜい一〇メートルくらいです。

ですから、三歳くらいの子どもを富士山に連れて行っても、足もとばかり見ていて、富士山そのものには関心を持ちません。海に連れて行っても、砂浜ばかり気にして、肝心の海には関心を持ちません。

しかし、四歳くらいになると遠くが見えるようになり、急に世界が広くなります。そうなると、この世界は驚きに満ちています。海も山も川も全てが新鮮な世界に見えてきます。私達が、海外旅行に行って珍しいものを見ると新鮮な感動を覚えますが、子どもたちにとっては初めて出会う世界ばかりですから、私達の海外旅行以上の驚きと感動を毎日体験するようになるのです。この頃の子どもの学習量はすさまじいものがあります。急激にたくさんの情報を蓄積し始めるのです。
 
四歳くらいの子ども達は、ちびっ子ギャングと言われることもあります。行動が急に活発になり、何にでも関心を示し、すぐに行動に移しますが、やっていいこととやってはならないことの区別がついていないために、とんでもないことを日々繰り返すのです。しかし、この行動は急激に周りの世界を学ぶための行動でもあります。

これを、無理やり禁止すると子どもの発達に支障をきたします。やってはならない時に、厳しく叱ることはしつけの上で重要ですが、用心しすぎて行動そのものを止めてしまうと学習が遅れてしまいます。子どもの失敗を恐れずに、自由に行動させて学ばせ、やってはならないことをやった時には叱って、善悪を教えることです。

この時に、やってはならないことを教えるために、言葉で言い聞かせても効果はありません。善悪の概念は、本来抽象概念です。

この抽象概念が理解できるようになるのは、小学校の四年生からです。それまでは、抽象概念は理解できませんから、言葉で善悪を伝えても無意味です。悪いことをしたら叱るしかありません。

子どもは、小学三年生くらいまでは、親が怒っているのか喜んでいるのかで、自分の行動を規制しています。それが、善悪をわきまえて行動しているように見えるのですが、善悪の概念で行動しているのではありません。親に喜んでほしい、親に怒られたくないと言う判断の下で行動しているのです。
 
ですから、この時期に、叱らないで言葉でさとしているとしつけに失敗してしまいます。これが、小学三年生まで続くと子どものしつけは失敗に終わり、以後気がついて怒り始めてもしつけをすることはできなくなります。親が厳しくなった、冷たくなったとしか受け取れなくなるのです。

小学三年生までは、親は絶対であり、無批判に親の行動を受け入れますが、四年生を過ぎると判断力がついてきて親を批判するようになります。そうなってから、厳しくし始めると反発して効果が無いのです。

ですから、しつけは小学三年生までにやっておかなくてはなりません。今は、子どもを叱らない保護者が多くなってきましたので、このようなしつけの失敗が増えています。禁止事項は、厳しく叱る、やってほしいことはほめたり喜んだりしてあげるのが、しつけの基本です。
 
しつけに失敗したとしたら、小学高学年で無理にしつけをしようとは思わないことです。逆効果にしかなりません。偉人伝を読んで尊敬する人ができたり、仲の良い友達ができたりして自然としつけを身につけることもあります。それは稀な例ですが、中学になって、反抗期に入ると子どもは自分で自分の行動規範を作ろうとします。それに期待するしかありません。
 
幼児期に、子どもは何にでも関心を持ち、大人の真似をしたがります。人が本来持っている学ぶ本能を発揮しようとしているのです。しかし、この時期に、学ぶことを阻害するような環境があると、子どもの能力の発達に支障が出てきます。

例えば、親が身近にいれなくて、危険だからということで家に閉じ込めてしまうようなことが起きると、子どもは自由に学べずに発達が遅れます。しかし、自由に学べる環境さえできれば、このような遅れは小学生になってからでも取り返すことができます。幼児期の子ども達の発達の差は顕著に現れますが、そんなに心配することはありません。

発達の差は経験の差です。ほとんどが、生まれて初めて経験することばかりですから、経験豊富な子どもは急激に成長し、経験の乏しい子どもは発達が遅れると言うだけのことです。

例えば、運動が好きな子どもは急激に運動能力が発達し、周りの子どもよりも飛びぬけた運動能力を発揮します。

絵本を読むのが好きな子どもは、言語能力が飛びぬけて発達します。

幼児期にはこのような経験の差による発達の差が顕著に見られますが、小学四年生くらいになるとほとんど差が無くなってきます。

子ども達は、小学校の集団生活の中で、同じような経験を繰り返すうちに、発達が遅れていた能力の差を埋めてくるのです。すべてが遅れていた子どもでもほぼ追い付いてきます。
 
しかし、ここで回復できないダメージが起きる場合があります。何かを嫌いにしてしまった場合です。

例えば、英才教育のために、無理やり漢字や算数を習わせ、漢字や算数を嫌いにすると言った場合です。漢字や算数を学ばせること自体は、子ども達の発達にとって良いことです。

しかし、嫌いにしてしまうと、その後も嫌いなままになってしまって、漢字や算数を避けるようになって、逆効果になるのです。
 
子ども達は、漢字の読みを覚えるとか算数の計算を覚えると言ったことにはあまり拒絶反応を起こしません。

むしろ面白がって覚えます。この時期の子ども達は記憶の天才ですから、誰でも簡単に覚えてしまいます。しかし、漢字を書くとか数字を書くとなったら話は全く別問題となります。この頃の子どもは不器用で、指がまだ思うように動かせません。ですから、まだ箸もうまく使えません。

箸も使えないのに、漢字が書けるはずもありません。数字だって満足に書けません。頭の中では、漢字も数字も描けているのに、それが鉛筆では書けないのです。どんなに努力しても書けません。

ですから、漢字を書かせたり数字を書かせたりすると、欲求不満がたまり、漢字や数字が嫌いになるのです。そうすると、漢字や数字に対する拒絶反応となって残ります。これは、小学生になっても残りますので、他の生徒に追い付けなくなってしまいます。
 
漢字や数字の例は、一つの例にすぎません。焦って無理をして拒絶反応を残すことはいろんな分野で起こります。

ですから、大事なことは子どもが嫌がっていることはやめることです。

何でもいいので、喜んでやるものをやらせておけばいいのです。何かが遅れていても気にすることはありません。嫌いにさえならなければ、そのうち追いついてきます。
 
もし、例えに挙げたようなことが起こって、漢字が嫌いになったお子様が居た場合、無理して漢字を覚えさせようとしても、拒絶反応が有ってなかなかうまくいきませんが、視点を変えて習字を習わせるとうまくいったりします。

例に挙げたケースは、指がうまく動かなくて漢字が嫌いになった例ですが、小学四年生くらいになると自由自在に指は動かせるようになっていますから、習字を習ってもうまく書けるようになっています。

習字できれいな字を書くと言う快感を覚えると、漢字がうまく書けなかったという記憶が消え、漢字に対する拒絶反応が消えることも考えられます。嫌いにさせた場合でも、嫌いになった理由はさまざまですから、その対処法もさまざまです。嫌いになった原因を思い出して、その原因に即した解決法を考えてみてください。
 
子ども達の嫌いなものを作るのはマイナスですが、好きなものを作るのは頭の発達にとって大いにプラスになります。

例えば、異常に昆虫が好きだったり、ポケモンのキャラクターを覚えるのが大好きだったり、自動車の種類を覚えるのが大好きだったりといった子ども達はたくさんいます。これは素晴らしいことです。この時期の子どもたちにとってはそれが学習なのです。

興味関心があるものを思いきりやらせることは、その後の学習意欲や集中力の発達に大きく影響してきます。この異常な興味関心が、小学校での学校の勉強への興味関心につながる可能性は大きいのです。

もし、遅れて小学生になった今、そのような行動が出てきたとしても、それを遅れているとか異常だと言う理由でやめさせたりしないでください。子ども達の学習意欲や集中力は、本来遊びの中で鍛えられるものなのです。遊びの中で鍛えられたものが、学校の勉強に活かされるのです。いや、正確に言うと子ども達の興味関心や集中力にとって、遊びも学校の勉強も同じなのです。

それを区別しているのは大人であり、大人が学校の勉強だけを強制してくるために、子ども達は学校の勉強が嫌いになるのです。大人が区別しなければ、子ども達は遊びと同じように学校の勉強も楽しくなるはずです。
 
幼児期の子ども達の動きは活発です。走り回る子ども達に大人でもついていけないくらいです。公園などで走り回るのなら笑って見ていられますが、家の中で走り回られるとつい怒りたくなります。しかし、この活発な動きが体の成長を促しているのですから、無理に静かにさせるのは成長の妨げになります。家の中で走り回っても笑って見ている寛容さが必要です。
 
この時期の子ども達の心臓は、体の大きさに比べかなり小さく、座ったまま静かにしていると、大脳に血液を届けることができません。走り回らないと、十分に頭に血液が届かないのです。ですから、子どもたちが走り回るのは、本能的に体全体に血液を行き渡らせる行動とも言えます。

静かに座っていられる子どもは、発達に障害が有るか、無かったとしても障害が出る可能性があります。走り回るのが正常な姿なのです。
 
小学一年生の集中力の持続時間はせいぜい一五分程度です。幼児はもっと短いのです。そういう意味においても、幼児はじっとしていられません。ですから、無理に静かにさせることは幼児の成長にはマイナスにしかなりません。静かでおしとやかに育ったとしたら、成長が遅れていると考えなければなりません。
 
もし、小学生になってそのような兆候が残っているとしたら、思い切って活発な生活をさせるよう心がけてください。

それには、スイミングスクールに通わせるとかサッカーをやらせるなど体を思いきり使うような運動をさせるのが効果的です。小学生の時の運動は大脳の成長にも大きく関係があります。頭に十分血液を行き渡らせるという効果だけではありません。体をうまく動かすためにも、大脳の発達は欠かせないからです。

前にも書きましたが、幼児期の遅れは、小学校で取り返すことができます。今からでも遅くはありません。活発な小学生に育ててください。女の子は物静かな方が良いと言うような価値観は小学生までは持つべきではありません。小学生までは活発であればあるほどいいのです。小学生までは、体の発達と頭の発達は連動しているからです。




(まとめ)
興味がでてくるので、すぐに関心をもち行動にうつします。

しかし、「やっていいことと」「いけないこと」の判断は、まだできていません。

ですから、善いことも、悪いことも、色々なことをやりますが、これは、なにかを学ぼうとしての行動です。

これをやる前から、「いけないことだから」と行動をとめてしまうと子どもにとっては、学ぶ場を失ってしまうことにもなりかねません。この頃合いは、難しいところではないでしょうか。

善いことも悪いこともさせて、「やってはいけないこと」をした時には、厳しく叱る。(ヘレン・ケラーの少女期のようにでしょうか。)これがポイントです。

小さい子は、論理的思考をまだ持ち合わせていませんので言葉で理解させようとするのは無理なことです。

小さい子どもたちは、親が喜んでいるのか、怒っているのかで「善いこと」「悪いこと」を身に付けていきます。

感情的に「怒る」のではなく、子どもが「善悪」を判断できる「叱りかた」これがポイントです。

この時期に、しからないで「言葉でさとす」やり方をとっていると「しつけ」に失敗することがあります。

このしつけは、小学3年生くらいまでにやっておいたほうがよさそうです。

高学年以上になって、この方法をとると、子どもは反発心ばかり芽生えて効果はありません。逆に悪い結果になってしまいますので要注意です。

幼児期は、子どもが喜んでやりたいことをやらせてあげましょう。

無理やり喜ばないことをさせると、拒絶反応を強くもち、そのものが嫌いになってしまいます。

嫌いになったものが小学校に入学してからのお勉強に関係するものだとしたら・・・!大変なことになります。

嫌いにさえならなければ、子どもはどんどん吸収していく力をもっていますから大丈夫です。

大いに子どもたちと、色々なものに触れて親子で楽しんであげて下さい。

対 象

 

実施日

 

 

希教育 (スクールのぞみ)@赤塚のトレーニング教室・速読解

電 話

03-3979-6866

受付時間

12:30〜13:00

定休日・備考

火曜 祝日*お電話は平日土曜上記時間にお願い申し上げます。

住 所

〒175-0092

東京都板橋区赤塚2-1-12 パンダビル3階

交 通

東武東上線下赤塚駅 北口改札前:有楽町/副都心線歩3分

ページトップへ