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2014年06月22日
日曜日
第3回後半 『やっぱり素直さが一番』 N・Eさん ( WILLの卒業生たち )
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Nさんは母親と共にI高校見学にも行き体験授業にも参加した。自分の中では“I高校しかない”とまで思い込んでいた。ところが、中学校での進路相談では無情にも「志望校を変更しなさい」との指導だった。
Nさんはその後も何度も相談をしに来た。私はその都度、「今の頑張りなら大丈夫」そう言って励まし続けた。実際のところWILLの他の教師からも「塾長、厳しいんじゃないですか?」と何度か言われたこともあった。けれども私の経験と感覚が彼女の合格を信じて疑わなかった。そして受験。Nさんもそれなりに手応えを感じている様子ではあった。
ところが、合格発表の日のことである。次々と合否の結果が寄せられる中、彼女からの連絡は全く無かった。家に電話するのもはばかられて彼女の連絡を待ち続けた。夕刻になり「ダメだったか……」と私も他の教師たちも表情が曇り落胆していた。
「塾長通った!」
その時である。振り向いた私の目に飛び込んできたのは、母親と共にやってきたNさんの姿だった。
「お前なんで今頃連絡するねん!もっとはよせーよ!」
「だって直接塾長に伝えたかってん。合格者の説明会が終わってから直接言おうと思ってん」
彼女の言葉を聞きながら私の目からも嬉しさのあまり涙が溢れ出てきた。
Nさんのことを思い出す度に感じることがある。成績の上がらない子は絶対にいない──ということと、勉強が伸びる要素はまず第一に素直さである、ということである。現在Nさんは難関私立大学を卒業し旅行会社に勤めている。仕事は大変だとよくこぼしているそうだ。しかし、Nさんならどんな苦難をも乗り越えてくれると私は確信している。
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