TOP›WILLの卒業生たち›第2回 『変なヤツ』 T・H君
「なんで半袖Tシャツ一枚やねん」
冬期講習の真っ最中のことだった。他の生徒が全身を防寒着で包み寒さに震えながら塾へ来ている中、T君は半袖のTシャツ一枚とGパン。まるで真夏の出で立ちで通塾していた。T君曰く「暑くなったら勉強集中できへんから」
そんなT君がWILLに入塾したのは中学二年の春のことだった。他塾へ通っていた一年の頃の成績は300点代の後半、至って平凡な成績だった。私が彼の指導をしてから間もなく、彼の能力にキラキラと光るものを感じた。三年生になるころには450点を超えることが当たり前になっていた。
「三国丘高校より上の高校に行きたい」本人とご家庭の要望もあり奈良県のN高校を目標と定め、難関私立高合格を目指しT君への個別指導が開始された。夏休みの終わりにはほぼ中学校過程が終了。更に高度な内容に進んでいった。このスピードに彼は充分に付いてきていた。成績は瞬く間に急上昇。全国模試で約2万人中2位の成績。
ある時彼が私に言った。「俺勉強の三段階目に入ってると思う」それは常々私が生徒達に言っていた言葉であった。勉強の第一段階は苦痛。第二段階は不安。そして第三段階は歓喜がやってくる、というものだった。勉強は誰でも最初は苦痛で始まるのかもしれない。しかし、勉強の本当の楽しさが分かればそれが歓喜に変わり成績は確実に伸びる。T君のことを思い出す度に感じることがある。“勉強が楽しいと思えた瞬間、必ず成績は伸びる”と。
T君はN高校を受験した。T君と共に受験した友人(後に三国丘高校へ合格)が「多分点数一桁やとおもう」という入試問題。T君は120点満点中114点、ほぼ満点に近い点数を収め見事合格した。彼は今は獣医師となり和歌山県庁で働いている。以前彼が訪ねてきて食事を共にした時のことである。「今、鳥インフルエンザで大変なんですよ」大変だと言うT君の顔からは、しかしながら満面の笑みがこぼれていた。今の仕事につけたことに喜びを感じているように思えた。
ちなみにT君が塾へ訪ねてきた時に、お土産として持ってきてくれたものがあった。……スプレー缶に入った酸素。色んな意味で思い出深い生徒である。
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