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2010年05月13日
木曜日
「発達障害」ということばのニュアンス ( 講師の日記 )
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「発達障害」ということばを使うとき、いつも心にひっかかりと鈍い痛みが残ります。「障害」ということばに感じる、どこか人間に烙印を押すかのような冷たい突き放したニュアンスが、どうしても気になってしまうのです。
「発達障害」は、英語で表せば、developmental disorderとなります。ここで問題となるのは、disorderと「障害」のニュアンスの隔たりです。
私が「発達障害」について考えるとき、よく読み直すのが、杉山登志郎著『発達障害の子どもたち』(講談社現代新書:2007)なのですが、この中で、杉山先生は、次のように述べられています。
「developmental disorderという英語の意味に沿えば、発達障害とは正しくは『発達の道筋の乱れ』、あるいは『発達の凹凸』という意味となる」(P43)。、
英語のdisorderのニュアンスが「障害」という語とくらべて的確なような気がするのは、私だけでしょうか?
杉山先生も、そのことは痛感されているようで、「障害」より「失調」のほうがまだましであろう、というコメントもなさっています。
たしかに、orderの訳語としてまず思い浮かべる「秩序」というのを、その子その子がそれぞれの暮らしている環境で、何とか折り合いがついている状態と考えるならば、その「調子を失っている」という「失調」は、「障害」よりもはるかに的確に、そのありようを表すことばであろうと思います。
また非学術的ではありますが、「スランプ」のイメージは、「ディスオーダー」よりは親しみやすいかな、と考えたことがあります。「不調」とか「不振」という意味あいなのですが、漢語の見た目や響きは、やはりいかめしいところもあるので、私は「ちょっと最近スランプ気味かな?」なんて使い方をしたことがあります。その方が、子どもたち本人には、心理的にアプローチしやすい気がしたからです。
ちょっと話が長くなってしまいました。この続きは、また次回にします。
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森 茂雄 |
担 当 |
小学生 中学生 高校 浪人生
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教 科 |
全科目(高校の一部理系科目を除く) |
自己紹介 |
子どもたちと接していて変わらず思い続けていることは、「みんな、ほどほど(適正)に自己を愛し、自尊感情をもって成長していってほしい」ということ。なかなかに「自分を信じて生きていく」ことは難しいことなのだから。
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