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第16回子育て通信

第16回子育て通信   国語の成績を上げる方法��

前回は、国語の成績を上げる方法全般について触れてきました。今回は、本当の国語力の重要性と国語力の付け方について詳しく触れて参ります。

 小学6年生の春に入塾してきて、地域トップの私立中学に合格して行く子どもたちが時々おります。どの子も5年生まではどこの塾にも通っていないのです。では、どうして、合格したのでしょう。

その子ども達の調査の結果以下のようなことがわかりました。それは、すべての子ども達が、読書が好きで、5年生まで本ばかり読んでいるのです。どんな本を読んでいたのかは、子どもによって異なります。というより、みんな手当たり次第に読んでいるという感じで、特定の分野に偏っているわけではありませんでした。ここ半年と言うように期間を限定すると、SFが好きな子はSFを、推理小説が好きな子は推理小説を、物語が好きな子は物語をという風ですが、少し長い目で見てみると、興味が移り変わっていて、いろいろな分野の本を読んでいるのです。

塾に入ってからの成績の推移を見てみると、国語の成績はすぐに上がり始め5月、6月くらいになるとトップレベルになっています。読書三昧だったので、国語力はもともと高かったのです。試験なれしていませんので、最初は戸惑っていますが、すぐに成績は上がり始めるのです。理科と社会は夏休み明けにはトップレベルになっています。読書のおかげで、学習スピードが速く、勉強時間が長く取れる夏休みで遅れを挽回してしまうのです。

最後まで苦労しているのが算数です。成績は上がり続けてはいるのですが、冬休み近くになっても、算数だけはトップレベルに到達していません。受験直前に、何とかトップレベルに近づいて合格しているのです。

入試の点数を見てみると、国語で点を稼ぎ、算数の成績不振を穴埋めして合格しているといった感じになっています。理科、社会は生徒によりまちまちですが、理科や社会が足を引っ張っているということはありません。

この調査をして、国語力がいかに勉強する上で重要なのかをあらためて痛感致します。極論すれば、頭の良さとは国語力のことをいうのではないかと思うくらいです。

算数で苦労していたと書きましたが、中学受験の算数を理解できていなくて成績が伸び悩んでいるというよりも、他の受験生に比べて、計算スピードが遅く、時間が足りなくて成績が伸び悩んでいる感じです。算数の理解にも国語力は十分威力を発揮していたのです。

中学受験生と国語力に関するエピソードについて記しましたが、国語力がいかに成績全体を上げるのに貢献するかはおわかりいただけたのではないでしょうか。

私達は、日ごろ日本語で考え、教科書など日本語で書かれたものを読んで勉強しています。ですから、本物の国語力を付けることはすべての教科学習能力を高めることになるのです。中学生の5教科の成績の平均は国語の成績に一致すると言っていいくらい、国語はすべての教科学習に大きな影響力を持っています。生徒が勉強しているかどうかを判断するのに、社会や理科の成績が国語よりも上か下かで判断できます。

理科や社会が上であれば頑張って勉強している生徒ですし、下であれば努力が足りない生徒です。教科の好き嫌いもありますから、例外もあるのですが、この判断手法は良く当たります。数学はどこかで躓くとその後がまったくわからなくなりますから、国語との比較には使わないようにします。英語は勉強の仕方が悪いと単語が覚えられないので、これも使いません。

国語のテストでは、その答えは国語の長文の中にありますから、国語の読解問題は答えを見つける力を問うものといっていいでしょう。しかし、それは国語力のほんの一部にすぎません。本当の国語力を試すなら、読書感想文や作文の方が適しています。しかし、そうなると採点が大変で、採点者の主観が入るために、客観的で正確な評価ができなくなります。そのために、テストに読書感想文や作文が使われないのです。その結果、国語のテストでは、本当の国語力を判定するのは難しくなります。

本当の国語力とは、人が書いた文章や人の話を正確に理解し、そこから多くの知識や智恵を得る力です。また、自分の考えを的確に文章に表現したり、話したりする力です。この二つの力は、広い意味でのコミュニケーション能力といってもいいでしょう。

この力を付けるには、学校の授業や教科書での勉強だけでは、とても足りません。日ごろの生活のすべてが国語力を付ける場なのです。人と話し、お互いに理解し合う力を付けること、共感し合う心を育てることが大事です。また、新聞やテレビ・インターネットから情報を得たり、手紙やメールを書いて自分の気持ちや考えを人に伝えたりする日常の行動が、国語の実力をつける勉強なのです。

こう記すと普段どおりに生活していれば、国語の実力が着くのではないかと考えがちですが、そうはいきません。人が話している言葉を理解できなかったり、その人の気持ちを理解できなかったりするはずです。自分の思いが人に伝わらないこともあるはずです。そういう時に、そのままにしないで、わからないことはわからないと相手に伝え、わかるまで聞くことが大事です。新聞やテレビ・インターネットでわからない言葉が出てきたらそのつど辞書で調べて、わからない言葉を理解する習慣を付けることが大切です。自分の気持ちをうまく表現できない時も、どんな言葉を使えば良いのか考えたり調べたりする必要があります。たくさんの言葉を知ることで、相手を理解し、自分の考えを正確に伝える力が付いてきます。

教科書や授業での言葉や漢字を覚えるだけでなく、日常目に触れるすべての言葉や漢字に、日ごろから興味関心を持ち、絶え間なく語彙力を増やす努力が、本物の国語力を育てるのです。

国語力の育成をなお一層加速させようと思えば本を読むことです。本を読めば、必ずといっていいくらい、知らない言葉に出会います。その言葉を調べながら本を読めば、急速に国語の実力が付きます。

頭の良さの大きな要素に学習スピードがあります。学習スピードには、読書スピードと計算スピードがあります。計算スピードは、百枡計算等ではやくすることができますが、読書スピードは大量の読書が必要です。その意味で、計算スピードを付けるよりも読書スピードを付ける方が、時間がかかります。読書を好きになって、楽しみながら読書スピードを付けることが重要です。

最近は、テレビや漫画やファミコンと言った楽に楽しめるものがたくさんありますので、読書を好きな子は少なくなっています。テレビにも漫画にもファミコンにも、一定の学習効果はありますが、やはり読書には、はるかに及びません。

読書を好きにさせるのは難しいものです。特に、子どもを読書嫌いにしているのは、文学作品などが役立つと大人が思っている本が、子どもにとっては、おもしろくないのです。お子さんがサッカーに興味を持っているのなら、サッカー選手の伝記を読ませるとか、SFが好きならSFを読ませるなど、お子さんが読みたいと思うような本を読ませるほうがよいでしょう。本から役立つ情報を手に入れさせることよりも、読書を好きにさせる方がずっと重要です。

先程の中学受験生の例でも、必ずしも偉人伝とか文学作品といったまじめな本を読んでいるわけではないのです。夢中になって、自分が楽しめる本を読んでいるのです。それで、十分国語力はつきますし、何よりも読書スピードが上がります。楽しく無い本を読んでも読書スピードはつきません。早く次を知りたいと思うから、子どもたちは速く読もうとするのです。読書傾向が偏っていると心配する必要はありません。読書を好きになれば、興味関心の変化と共に、いろいろなジャンルの本を読むようになります。成長と共に、自ずと興味関心は変わっていきますから、心配することはありません。

読書を好きにさせる上で、もう一つ大切なことがあります。それは、文章の難易度です。学年相応の難易度の文で書かれた本を読ませようとしますが、学年相応と言うのは、学校で今習っているレベルということであり、そのようなレベルの文章は、子どもたちにとっては難しいのです。難しいから楽しくありません。6年生なら,5年生か4年生レベルの文章が良いと思います。漢字の勉強や言葉の勉強にもなるからと欲張らないことがポイントです。

最初は、すらすら読める文章が良いのです。読書が好きなってしまえば、子どもたちは大人用の難しい文章の本だって読むようになります。最初は易しい面白い本を与えることです。読書が好きになれば、子どもたち自身が、学年を超えてどんどんレベルアップしていきます。

本には自分の知らない知識、知らない世界が書かれています。読書をすれば、読書スピードが速くなり、語彙力が豊富になるだけでなく、心が豊かになります。この豊かな心が、考える力を育て、人を理解する力を育てます。本物の国語力とは、豊かな知識に基づいた、思考力・感受性・共感力でもあるのです。

また、私たちは日本語でものを考えていますから、読書スピードが速いと言うことは、考えるスピードも速くなるということでもあります。本から得た知識を基に、深く考えることができるようにもなります。

国語力を鍛えるのに、読書以上に効果的な方法は文章を書くことです。文章を読むより、文章を書くほうが難しいからです。日記を付けたり、読書感想文を書いたり、友達に手紙を書いたりすることが、国語力を付ける最も効果的な手法です。

詩や短歌・俳句・小説などを書くことはもっと高度な国語力を育てます。そこまでいかなくても、文章を書く習慣さえ付ければ、国語力は確実にレベルアップします。

本物の国語力を付けるには、読書や文を書くことを通してしか、身につかないのです。日本語と共に生活すること、その日本語から常に学び続けることが本物の国語力を育てる唯一の道なのです。

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