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第15回子育て通信

第15回子育て通信  国語の成績を上げる方法��

今回は国語の成績を上げる方法について書きます。以前、小学低学年の時に十分に音読を繰り返しておかないと文章を読んでも理解できないと記しました。

人は、文字言語をそのまま認識する能力は持っていません。音声言語としてしか言葉を理解できないのです。音声言語は人類の歴史の中で長く使われてきましたが、文字言語が一般に普及したのはこの100年ほどのことです。文字言語を文字言語のまま理解する能力を獲得するには歴史が短すぎるのです。音声言語は、人類の言語としてできあがる前から、ライオンの吠える声や狼の吠える声は危険の合図だと言う形で、人類誕生以来使われてきています。
音読を繰り返し、黙読をしても頭の中で音が響くようになるまで練習しないと黙読では文章の意味を読みとれないのです。

読語障害は、音読の練習不足で、この能力が十分育っていなくて文章の意味が全く理解できない状態をいいます。しかし、読語障害はあるところから急に始まるものではありません。子ども達の間では、読解力は、黙読で十分理解できるレベルから全く理解できないレベルまで段階的に続いているのです。この中間のレベルでは、文章が全く理解できないわけではないが、理解が難しいと言う領域もあるのです。

読解力を確認するには音読をさせて見るとすぐにわかります。まず、話し言葉のスピードですらすら読めるのかを確認します。音声言語である話し言葉のスピードで読めないと文章は理解できません。遅すぎると言語にはならないのです。

次に、助詞を飛ばさずに読めているかを確認します。「・・・は」とか「・・・が」とかです。日本語は助詞をしっかりと把握できないと、文章の意味が違って解釈されてしまいます。この、助詞を正確に読みとれないで、飛ばしてしまう子ども達は以外に多いものです。

次に、それ以外の部分も正確に読めているかを確認します。読みなれていないと文字を飛ばして読んでしまうことがあります。一文字飛ばしただけで、意味はわからなくなってしまいます。
こんなことを書くと、それくらいはできていると思われる方が多いと思いますが、小学4年生では三分の一以上の生徒がしっかり読めない状態になっています。このような状態を確認したら、すらすら読めるようになるまで繰り返し音読の練習をする必要があります。

中学生になると、思春期に入り、恥ずかしがって音読を嫌がるようになりますので、小学生の間に音読をさせて、すらすら読める状態を作っておく必要があります。

すらすら読めている子ども達でも、同時に文章の意味を理解し、感情をこめて読むことは難しいものです。すらすら読めていたら、感情をこめて読んでご覧と言って、理解の深さを測ってください。もし、感情をこめて読むことが難しければ、まだ十分な音読の訓練ができていない状態ですから、感情をこめて読めるようになるまで音読をさせて下さい。

すらすら読めない段階では、感情をこめて読みなさいと言う指示を出してはいけません。能力は段階的に成長するものですから、両方を一緒にやろうとすると、子ども達は音読を難しく感じてしまいます。まずは、すらすら読めるようにする。それができるようになったら感情をこめて読めるようにするという段階を踏まれて下さい。

感情をこめて読めるようになったら、次は語彙力のチェックです。漢字が読めているか、言葉の意味が理解できているかをチェックします。漢字は、音読をさせれば読めているかどうかはすぐにわかります。言葉の意味が理解できているかどうかは、音読だけではわかりませんので、難しそうな言葉を選んで意味を聞いてみてください。それで、どのくらいの語彙力があるかがわかります。漢字が読めていなければ、漢字の練習量を増やします。漢字を読めるだけでなく、書けるように練習を繰り返します。読むだけよりも、手を使って書くことによって、より覚えやすくなります。言葉の意味が分からないものが多いと感じたら、難しそうな言葉を辞書で引く習慣を付けます。そうやって、語彙力を豊かにしていくことが大切です。

ここまでできたら、国語力は普通ということになります。すらすら読めて、感情をこめて読むことができ、語彙力も十分だったとしても、よくできましたというわけにはいきません。国語とは、生活に使う言葉であり、考えるための言葉でもあります。日常のコミュニケーションやものを考えるという活用ができなければ、十分な国語力がついたとはいえません。学校の授業で習う国語だけではとても足りないのです。国語力は生活自体の中で育つものです。友達との会話が活発だとか、いろいろな発表が得意だとか、自分の考えをしっかり人に伝えられる、人の言っていることをしっかり理解できると言った能力が必要になります。学校で習う国語が良く分かり、学校のテストで良い点が取れるだけでは不十分なのです。

このような本物の国語力を育てるには、親子の会話が重要になってきます。親子の会話が多いほど国語力は深まります。親子喧嘩はコミュニケーション能力の欠如によって引き起こされていることもあることでしょう。しかし、子どものコミュニケーション能力の欠如だけとは限りません。大人のコミュニケーション能力の不足が原因のときもあることでしょう。親子喧嘩が多いとすれば、皆さんのお子様への話し方についても振り返ってみることも必要かと思います。喧嘩をしないで、お互い理解し合うことができる会話を心掛けることがお子様の国語力を高めることにつながります。

昔は、大家族でお爺さんやお婆さんと一緒に暮らすことによって、子ども達の会話量は確保されていましたし、お爺さんやお婆さんの穏やかな話し方でコミュニケーションもうまく取れていました。しかし、今は核家族が多くなり、お爺さんやお婆さんと話をする機会が減っています。その分だけ会話量は減っています。さらに、お仕事をされていらっしゃるご両親も多く、ますます子ども達の会話量が減っています。

遊びにしても、昔は外で友達と遊ぶことが多かったのですが、今はそれも減り、ゲームソフトをしたりテレビを見たり、一人で過ごす時間が増えています。その結果、ますますコミュニケーション不足に陥っています。このような生活環境の中では、十分な国語力はつきません。

では、どうしたらいいのでしょう。もちろん親子の会話を増やすことは重要です。親子の会話は単に国語力に関係するだけでなく、子どものメンタル的な安定や成長にも欠かせません。しかし、それにも限界があります。

一番良い方法は読書です。読書は語彙力を増やし、読書スピードを上げて国語力を付けるだけではありません。本の内容から学ぶことも多く、子どもの精神世界を大きく広げてくれます。考える力も育ててくれます。

表現力を豊かにするためには、日記を付けさせると効果的です。自分の生活や考えを表現し続けることで自ずと、表現力がついてきます。日常生活が同じだとすると、子供たちの国語力は読書と作文によって差がつきます。生活を変えられないとしても、読書と作文の習慣を付けることで、不足を補うことができます。

これらを考えると、国語の成績を上げるという目的から大きく外れて、国語力そのものを付けることが重要なのだということにお気づきになられると思います。ここで、国語力と国語の成績の関係について触れておきたいと思います。

学校での国語のテストは、学校で習った教科書の範囲から出題されます。先生が授業で、教科書を丁寧に説明し、その説明した内容を理解しているか、覚えているかをテストするものです。ですから、国語力と言うより暗記力のテストになってしまいます。これでは、国語力は測定できません。漢字や言葉の意味はまさにその通りですが、読解力は違うのではないかと思われるかもしれません。しかし、読解問題も、先生が文章の意味や解釈を説明しているのですから、記憶問題と言っても過言ではありません。

読解問題は、設問も本文も日本語であり、理解は簡単です。国語の読解問題は、設問が示す本文の個所を見つけ出すゲームのようなものです。読解問題の設問の読み方、答えがあるところの見当のつけ方、設問への答え方といったテクニックを教えると、読解問題の解き方は割と簡単に習得することができます。

設問には、答えを一つに絞り込むためのヒントが隠されています。このヒントを見つけ出すように意識して設問を読めば、答えは自ずと見えてきます。しかし、答えは、本文を引用して正確に書く必要があります。ですから、答えがあるところの検討の付け方が大事になってきます。「それとは何を指しますか。」と言う設問では、「それ」の前にあります。遡っても形式段落までさかのぼれば必ず答えがあります。「傍線で言いたいことは何ですか。」といった、傍線が付けられた部分に関する設問では、傍線の前か後の二文くらいを探せば見つかります。「筆者が言いたいことはなんですか。」といった一見、全体にまたがるような設問でも、その答えは最後の三行くらいにあります。ビジネス文書や論文では、結論を最初に持ってくることがありますが、小学生が触れる文章では結論は最後にあります。国語の成績が悪い子供たちは、特にこの答えの有る場所の見当のつけ方がわからなくて、設問ごとに、本文全体から答えを探そうとしています。最後に、設問への答え方をしっかり覚えておく必要があります。「それとは何か。」と聞かれたら名詞形で答えるとか、「なぜですか。」と聞かれたら「・・・だから。」と答えるなどです。

簡単に、読解問題を解くテクニックについて書きましたが、すらすら読め、感情をこめて読め、語彙力もあるといったレベルに達していたら、国語の成績はこの読解問題を解くテクニックを身につけているかどうかにかかっています。しかし、学校の国語のテストでは、本物の国語力のレベルを測定することはできません。日本語で書いてあるものを日本語で答えるのですから、どこまでいっても答えあてのゲームにしかならないのです。

本物の国語力を測定するには、読書感想文を書かせるとか、ディベート(模擬討論)をさせるしかないのです。しかし、その方法は採点が難しく、先生の主観が入りますし、何よりも採点に時間がかかります。テストですから、公平でなければならないとか誰が採点しても同じ点数になるような客観的なテストでなければならないといった理由で、今の形式のテストが行われているのです。これは、大学入試に至るまで変わりません。

ですから、国語のテストで良い点が取れたからといって安心してはならないのです。また、逆に落ち込む必要もありません。大切なのは、文章を読んでしっかり理解できているか、自分が言いたいことがしっかり相手に伝わっているか、相手が言っていることをしっかり理解できるかと言うことです。

国語は何よりも生活言語です。国語力が無いと円滑なコミュニケーションがとれません。それでは生活にいろいろなところで支障がでてきます。国語は、私たちの思考言語です。国語力が弱ければ、必然的に思考力は弱くなります。現代の生活や仕事では、本やインターネット等を通じて情報を入手し、その情報を活用して、考え、行動していかなければなりません。仕事においては、常に最新技術の情報に触れ、活用していかなければ、生き残れません。それほど、国語力というのは重要なのです。

学校生活においても、すべての教科の理解に国語は重要な役割を持っています。教科書を理解するにも、先生の授業を理解するにも、問題を正確に理解して解くためにも国語は欠くことができないのです。国語は全ての教科の基礎学力と言えます。国語力が、すべての教科の成績を決めると言っても過言ではありません。ご理解頂きたいのは、ここで言う国語力とは、国語の成績ではありません。本物の国語力です。

国語という教科の重要性を理解していただき、お子様の国語力を伸ばすにはどうしたら良いかがポイントです。小学生の時には、学校の国語の成績を伸ばすこと以上に、本物の国語力を付けることに気を配ってあげて下さい。本物の国語力さえついていれば、国語の成績を伸ばすのにさほど時間を必要としないのです。中3になって、入試の勉強を始めてからでも十分間に合います。しかし、本物の国語力がついていないと、全ての教科の成績が上がりません。



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