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第12回子育て通信 頭の良い子を育てる方法�Α聞佑┐詢呂魄蕕討詈�法)
考える力とは何か
記憶力や理解力・集中力というのはどんな力かわかりやすく、また鍛え方もなんとなくわかるような気がします。しかし、考える力というとどのような力なのか、どうしたら考える力を付けることができるのかイメージするのは困難です。
そこで、考える力は才能であって生まれつきのものだと考えがちです。しかし、人の能力は、どんな能力でも生まれつきではありません。もちろん、可能性としての能力は生まれつきですが、その可能性を現実の能力とするのは生まれた後の努力や経験ではにでしょうか。
「頭が良い」という言葉は良く耳にしますが、頭が良いということがどんなことを指すのかが良くわからなかったり、なぜ頭の良い子と頭の悪い子の差が出来るのか、その原因がわからなかったりして、生まれつきのせいにしてしまいますが、しっかり観察してみると、頭が良いということは、記憶力・理解力・集中力・考える力などで構成され、それぞれに鍛え方が有るということがわかります。
考える力というのが他の能力よりも育てにくいものだと思われていますが、考える力とは何かを知らないためにそう思えてしまうのです。考える力というものをもう少し詳しく見て見ると、応用問題を解く力、課題を解決する力、何か新しいものを創造する力、観察し分析して法則を見つける力などに分かれます。
このように、多種多様な能力を総合して考える力と言っているのですから、考える力の育て方がわからなくなってしまうのです。分けて見ると、少しは方法が見え始めるのではないでしょうか。
応用問題を解く力
「応用問題を解く力」を数学の例にとって考えてみましょう。応用問題というと一見難しそうで特殊な能力が無いと解けないようなイメージがありますが、良く見てみると、数学の応用問題は、基本問題の組み合わせでできています。
基本問題は、問題を見ただけで、答えにたどりつく道筋が見えていますが、応用問題は問題を見ただけでは、答えにたどりつく道筋は見えません。応用問題の条件からわかる数値をすべて計算し、その数値を使ってさらに応用問題の答えを考える必要があります。条件からわかる数値を出す方法は基本問題と同じです。その数値を使って応用問題の答えを見つけるのも基本問題と同じなのです。
ここで使う基本問題の数によって、応用問題の難易度は異なります。使用する基本問題が二つの応用問題は比較的簡単ですが、使用する基本問題が三つになるとぐっと難しくなります。
例えを使って説明すると、基本問題は、目的地も目的地に至る道も見えているのですが、応用問題は、途中に山が有って目的地が見えないので、目的地を見るにはいったん山の頂上まで上がって目的地を見つけなければなりません。
応用問題を解く力を付けるには、まず基本問題を解く力をつけることです。基本問題を解く力は、理解と記憶と演習です。次に、基本問題を利用して応用問題を解く練習が必要になります。こう考えると応用問題を解く力を付けることは、さほど難しいことではないことがおわかりいただけると思います。
しかし、基本問題の理解や演習に手間取るようだと、応用問題を解く練習をする気力が無くなって、応用問題にチャレンジしようと思わなくなります。ですから、基本問題をしっかり習得し、応用問題にチャレンジするだけの学習時間と学習スピードが必要になるのです。
課題を解決する力
課題解決というのは、学校の勉強ではあまり必要とされませんが、生活や仕事の場では非常に大切な能力です。課題解決能力の9割は課題発見能力だといわれます。
つまり、何が課題かが明確にならなければ、課題は解決できないということです。同時に、課題を見つければ、課題解決はさほど難しくないともいえます。
課題を発見できるかどうかは、目標や夢や理想を持っているかどうかにかかっています。目標や夢や理想から現実を見た時に、目標や夢や理想からどれだけかけ離れているかを知り、その現実を目標や夢・理想に近づけていこうとするところに課題は見つかります。逆にいうと、目標や夢や理想が無ければ課題は見えてこないのです。
課題が見つかったとして、その課題を解決する方法は、今までに習得した知識や経験を使って新たな方法を生み出すことです。しかし、課題が明確になっていれば、思考錯誤は必要ですが、自ずと道は見えてきます。もっというと、道が見えているものしか人は課題だとは思わないのです。
飛行機を例にとって説明してみましょう。鳥を見て空を飛びたいという夢を持った人間は、長い間この夢を実現できませんでした。できないものだと思っている時の空を飛びたいという夢は、単なる夢物語であり、現実の課題とはなっていなかったからです。
人は、実現可能性が見えてこないと、自分の課題だとは思わないのです。しかし、自動車のエンジンが発明され、流体力学の知識を持つに至って、人は本当に空を飛べるかもしれないと考え始めます。たくさんの試行錯誤が繰り返された後、ライト兄弟が実際に飛行に成功するのです。ライト兄弟が飛行機を設計するのですが、その基礎となったのは自動車のエンジンの技術と流体力学の知識です。
エンジンの技術と流体力学の知識が、ライト兄弟に空を飛ぶという課題を抱かせると同時に、実際にそれを実現させるのに必要な方法も与えたのです。エンジンと流体力学の知識があれば、飛行機の設計は難しいことではありません。もちろん、技術的には大変な試行錯誤が必要でしょうが、飛べることはわかっているのですから、成功するまで諦めないでチャレンジするだけのことです。とはいえ、このチャレンジが難しいのですが。
課題を解決する能力は、夢を持つ力と夢を実現するために必要な知識を習得することから生まれてくるのです。
新しいものを創造する力
新しいものを創造する力も課題を解決する力と良く似ています。例えば、電話を発明した人のことを考えてみましょう。電話を発明したのは、エジソンだとかベルだとかいわれていますが、その真偽はさておき、遠くの人と話せたらいいなと誰しも考えるでしょうが、電話を作る技術的な可能性があることを知らない人は、電話を作ろうとは思いません。電磁石で幕を振動させ音を出すスピーカーの原理、電気信号の強弱で電磁石の強弱をコントロールする技術、電気信号を電線で送り届ける技術、このような既存の知識が電話という夢を持つことを可能にしたのです。
飛行機は、鳥を見て、人は技術的な可能性が見える前から自分も空を飛びたいという夢を抱きましたが、電話は技術の進歩が夢を抱かせたのです。
新しいものを創造する力というのは、実は既存の知識の集合から生まれてくる夢なのです。既存の知識を集積すれば、こんな夢がかなうのではないかという思いから生まれてくるものなのです。
ですから、無から有を生み出すのではなく、一見新しいものでも、既存の技術や知識の集積なのです。方法が先にあるわけですから、解決方法は目に見えています。課題解決と同じように試行錯誤が必要なだけです。
観察し分析し法則を見つける力
観察し分析し法則を見つける力は、主に科学者の分野の能力です。しかし、どうしたら幸せになるのかを考えるのも同じような能力ではないでしょうか。そう考えると、誰にとっても必要な力だといえます。
ニュートンはリンゴが落ちるのを見て万有引力の法則を見つけたと言われていますが、太陽の周りを惑星が回転しているのを観察し、回転しているのになぜ遠心力で遠くに行かずに一定の軌道を回っているのかがわからなかったのです。その謎を考え続けている時に、落ちるリンゴを見て、物質と物質は引き合う力があるのではとひらめいたのです。惑星の軌道の知識と遠心力の知識の間に矛盾が有り、それを解決する考え方をリンゴが落ちるのを見て気がついたというわけです。
人生も仕事も似たようなものではないでしょうか。お金を儲けようとして頑張ってもなかなか儲かりません。自分だけ幸せになろうとしてもなかなか幸せになれません。
そのうち、お金を儲けるには、お客さんに満足してもらうことが大切だとわかってきます。自分が幸せになるには、周りの人の役に立つことをして、周りの人から感謝されることが必要だということがわかってきます。
何かを発見するには、経験と知識と挫折とちょっとしたひらめきが大切なのです。
考える力を育てるには知識と夢が必要
いくつかの例を基に考える力とは何か、どうしたら考える力を育てることができるのかをみてきました。いずれの場合も、夢や目標があり、それを解決するために必要な知識がありました。考える力と知識・理解を切り離して考える人が多いのですが、考える力の源は、知識と理解なのです。
豊富な知識が、考える力を生み出しているのです。しかし、知識だけでは、考える力は動きだしません。現実を変えようとする、夢や目標が考える力の動力源なのです。
こう考えると、考える力を育てるのが難しそうに見えていた理由がわかります。考える力は、勉強という狭い世界をはみ出し、現実世界と密接に関係しているのです。現実の世界で、夢を持ち、夢にチャレンジする心が無いと考える力は育たないのです。
応用問題を解く力は、勉強の中だけのことではないかといわれるかもしれません。しかし、応用問題が解けなければ、レベルの高い高校や大学には行けません。応用問題を解こうとする原動力は、レベルの高い高校や大学に行きたいという夢が原動力になっているのではないでしょうか。そう考えると、応用問題を解く力も現実世界と密接に関係しているといえます。
考える力がある人とはどういう人かイメージしてみましょう。前向きで意欲と自信に溢れる人というイメージではないでしょうか。
考える力を育てるには、そのイメージ通りの子どもに育てようと思うことが大切です。知識・理解だけの能力ではなく、現実の世界でも夢を持ち前向きで元気いっぱいの子どもに育てることです。その上で、豊富な知識と理解力を持った子どもに育てることです。
「頭の良い子を育てる方法」は、
知識の量が理解力を決定し、知識と理解の量が考える力を決定します。知識の量を増やすには、学ぶ意欲と集中力と目的意識が重要です。そして、その全ては目的意識から生まれてきます。
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