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ほのちゃん創作:セミのカンチがい

『セミのカンチがい』ほのちゃんの創作物語です。
左絵はほのちゃん作:セミの脱皮瞬間

「暑いなあ〜」と過ごしていたら
「あら!今日は寒いわね。

天候はいろいろ変化します。
寒くなった瞬間、慌てちゃうセミさんがいそうですよね。
そんなセミさんをテーマにお話を創作して頂きました。

(セミの感知まちがい!:セミのカンチがい:笑)
題名と本文イラスト:安藤
どうぞお楽しみください。

セミさ〜ん!本日8月31日〜!
夏終わっちゃいましたわ〜!(笑)

対 象

実施日

夏終っちゃう〜と慌てるセミさん

お目覚めのセミさん

春の長い眠りから目覚めると、
体を包む
土のしっとりとした感触が
心地よかった。
一筋の光も届かない、
深く大きな闇が広がるここは、
幼虫たちが眠る地下の世界だ。

少し移動をしようかと、
いつの間にか
窮屈になっていた殻が
まとわりつく6本の足で
土をかき分け、
ふと耳をすます。
珍しく辺りには、
沢山の虫たちの
足音と話し声が
響きわたっていた。
いったい何だろう。
声のする方へ、
土のトンネルを進んでいく。
そこで思い出したのは、
まだ生まれて間もないころ、
土の中で
年上のセミ達から聞いた
地上の話。
そこには「夏」という
素晴らしい世界が
広がっていて、
いつか大人になった君たちは
その中を
飛び回ることが出来るんだ…
とかいうもの。
でも、自分はわざわざ
地上に出たいとは
思わなかった。
この土の中の暮らしは
結構好きなのだ。
別にこのままだって
いいじゃないか。
狭い穴を抜けると、
ひときわ広いトンネルに出た。
地上へと続いているのか
辺りはわずかに明るく、
見たこともない数の
セミの幼虫の群れが、
騒がしく目の前を進んでいるのを
見ることが出来た。

「夏が終わっちゃう!
早く、早く外に出ないと!」
そうとう焦っているのか、
セミ達の数が多すぎて
行進は一向に進んでいない。
ただ、おしくらまんじゅうのように
その場で押し合っているだけだ。

その時、
どこからか笛のような音と
大きな声が聞こえ、
少しずつセミ達の群れは
動いていった。
交通整理をするセミが
出てきたようだ。
その様子を眺めていると、
後ろからドンと
誰かがぶつかってきた。
横を足早に通り過ぎていったセミは、
いかにも
そこに立っているのは邪魔だ
と言いたげな表情だった。
そのセミは
動き続けるセミの軍団に加わる前に、
振り返ると大きな声で言った。
「そんなところでボーっとしていて、
一生夏が見れないまま終わっても
知らないぞお!」
別にそれでいいんだけどなあ、
と来た道を振り返ると、
どこからか現れたセミの群れが
こっちに押し寄せてきていた。

夏が始まる世界

「夏だ、夏だー!」
ドドドドドと
猛烈な足音が迫ってくる。
つい追い立てられるように、
足が広いトンネルへと
向かっていた。
……そう、
それがいけなかったのだ。
そのあと更に大量のセミ達に
潰されそうになりながら
押し流されたあげく、
とつぜん視界がパッと開いた。
もう土の天井はなく、
遥か上にはただ果てしなく
空っぽの闇だけが広がっていた。
そのずっと奥には
小さな小さな光が
散りばめられている。
なるほど、
これが星空というものかと
呑気に考えたあと、
はっと地上に出てしまったのだと
気がついた時には
もう手遅れだった。
沢山のセミにぶつかった衝撃で、
体を包んでいた殻は
真っ二つに割れて転がっていた。
土を堀る爪も一緒に取れていた。
ひんやりとした空気が流れてきて、
むき出しの湿った羽を
かすっては
どこかへと去っていった。

丸く眩しい光の固まりが
山の向こうに現れ、
木々が色づき始めたころには
仲間のセミ達は
すっかりいなくなっていた。
羽が乾いたセミから一匹、
また一匹と
大空へ飛び立っていったのだ。
一人取り残されたあと、
むなしく土をかいてみたものの
当然もう穴を掘ることは出来ず、
生まれて初めて
木の頂上まで登ってみた。
空気はすでに蒸し暑く、
空が一面の青さへと
塗り替えられてゆくのが
すぐそばで見える。
何かの生き物が
ピヨピヨと鳴いた時、
やっともう二度と
自分は地下の世界へは
戻れないのだと実感がわいた。
今、どこか遠くで
一番最初のセミが
歌を叫び始める。
ああなんだよ、
夏なんて
まだ終わっていないじゃないか。
それはまだ、
始まったばかりだったのだ。

 

 

希教育 (スクールのぞみ)@赤塚のトレーニング教室・速読解

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