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TOPお楽しみコンテスト魔女創作物語部門 受賞者発表

 

 

魔女創作物語部門 受賞者発表

学び舎Cotobaco
アプレ・レコール
スクールのぞみ
三教室合同「魔女創作物語コンテスト」

■創作物語部門受賞者

金賞:小4年じゅん君(アプレ・レコール)

銀賞:小2年みみちゃん(学び舎Cotobaco)

銅賞:小4年あおいちゃん(アプレ・レコール)


■特別賞

『作家デビュー
キッズアガサクリスティー賞』

小4年よしき君(スクールのぞみ)

小6年ことねちゃん(学び舎Cotobaco)


『ベストノベル賞』

高1年ほのちゃん(スクールのぞみ)

2022年4月から9月の長期にわたり
創作物語にチャレンジしてくれました
子供たち!
素晴らしい創作絵本の出来上がりです。
子供たちの隠れた才能に
ビックリいたしました。

お話もイラストも
ワクワクする作品ばかりでした。

皆さ〜んに差し上げたいのですが。。。
これでは、コンテストにならないわね!
心をおに〜にして、協議いたしました〜。

■イラスト部門は
トップ画面にお戻りください。

受賞作品をどうぞご覧下さいませ。
学び茶Cotobaco 奈良
アプレ・レコール 榎本
スクールのぞみ 安藤

対 象

実施日

創作物語『魔女の世界』コンテスト受賞作品

金賞 小4生じゅん君(アプレ・レコール)

【トーラはどんな魔女?】
やさしいけど、うで前は良いです。
いろいろな実けんや出来事をのりこえて、
うで前をよくしたくらいねばり強いです。
口ぐせは「ひみつ」だそうです。

【あら!だれか きたのかしら?】
すると弟のピューマがやってきました。
またペットの白色のフクロウのフー太も
やってきました。
そして、弟のピューマがいいました。
「悪まのグループができてしまった。
だから、トーラいっしょに 
たおしに行こう。」
そしたら、トーラが
「いいよ。
いま 新しいぶきも作っているし」
といいました。
「それより一週間待って、
ぶきや 
村からいらいも来るかもしれないし。」
とトーラがいいました。
そしたらピューマが
「だったら ぼくは 
新しいいっしょに住む大きい家で、
とっ訓をしているよ。」
といいました。
そうすると早速、
ピューマがとっ訓をはじめました。
ピューマは 茶色のぼうしをかぶって、
ほうきに乗って とっ訓をしています。

【トーラ!どうする?】
「大じょう夫ですか」とトーラ。 
「―――苦しいよ。うう・・・」と村人。 
「では今治しますね」
とトーラがいいました。
「クロおねがい」「フー」 
すると、フクロウのクロが 
なぞのステッキにかわりました。
このステッキは トーラが言ったことが 
本当になってしまうものです。
トーラが早速ステッキを使いはじめました。
「村人さんの病気よ 治れ。」
すると 本当に村人が元気になったのです。 
「ありがとう」
トーラは ほうきで飛んで
いなくなってしまいました。
そして、トーラとクロは 
弟のピューマとフー太のところへ
行きました。
「とっ訓している人でしょ。」
とトーラがいいました。
「うん」とピューマ。
「じゃ フー太がナゾのステッキになる
わざを 教えてあげる」
そして、トーラが ピューマに教えました。
八時間後、やっと 
ピューマができるようになりました。
そして トーラがほうきで
いなくなりました。
トーラは家に帰ると すぐにねました。

【メドラ!どんな 魔女かしら?】
すぐトーラは魔女の場所へクロと
行きました。 
すぐさま「あなただれ。」
とトーラがききました。
「わたしはメドラ、あなたはだれ。」  
「わたしはトーラ。」   
「あなた強いの?」とメドラがいいました。
「じゃ、戦わない? 村の中央広場で。」  
「いいよ。」  
そして いよいよ勝負がはじまりました。
トーラは さっそく自分のけんとクロを 
なぞのステッキに変えました。
メドラは 自分がチーターにかわりました。
チーターは 色がどくとくで
赤色と青色でした。
そして 勝負は はじまりました。
トーラがけんから火をだし
まわりをかこいました。
火のけんで メドラに向かっていきます。
メドラは す早く よけてみえなくなりました。
すると トーラの後ろからでてきました。
トーラは とっさに気付き、
ステッキで メドラを止めました。
でも すぐ動いてしまいます。
トーラのなぞのステッキが 
メドラにつっつかれ 
ほのおの外に でてしまいました。
でも トーラはあきらめません。
火のけんで 自分をほのおでかこいます。
そしてトーラもあぶないですが
トーラの必さつわざ
「ブレイズソード」をくりだしたのです。
見事メドラに的中しました。
どちらも大ケガです。
クロとなってステッキは
こちらへ向かってきます。
そして、一日後、
見ごとにメドラとトーラは治っていました。  
そして「わたしたちの仲間にならない?」
とトーラ。
「いいよ。これからよろしく。」
とメドラ。   
そして、そこへ、ピューマがきました。
「トーラ、
ぼくたちのひみつきちができたよ。」    
「この人も仲間だよメドラ。
ピューマっていうんだ。」
「よろしくおねがいします。メドラです。」
とメドラ。 
「じゃ、早くひみつきちへきて」
「大きいひみつきち」とメドラ。
「ぼくは 木で全部ひみつきちをかこって、
しかも かくしとびら、
また全体にこわれない 
えきのわざを作ったから 
それをぬったよ。」    
「じゃ部屋ぎめしよう。
わたしはむらさきの部屋がいい!」
とトーラ。
「じゃ、ぼくはくろの部屋」
とピューマ。
「じゃ、わたし赤の部屋」
とメドラがいいました。
「ペットの部屋もあるよ。」
「わあ広い〜」
じゃ、そろそろ 休もうか。

【トーラ〜!どうする〜?
お祭りがあるわ〜!】
森の奥に入ると 
屋台が一つありました。
かん板はなくて 
不思議なジュースを売っていました。
店主は トーラに無料であげました。
これは あとあと気付くのだけれど 
政府が作った無げんに強くなる
ジュースだったのです。
そして トーラが飲んだのは 
この中でも一番強いジュースです。
これの能力は 火、水、電気、糸、氷、
そして 仏になったりする能力です。
しかし 欠点があり、
今のトーラでは 夜に使えません。
一方 そのころピューマは
泳ぎの練習をしてました。
その時見つけたのは 伝説の薬草でした。
これは伝説の医者、ドクターカミバックが
かくしたといわれる薬草だそうです。
のちのち関係してきますが 
カミバック薬草引っこぬき事件です。
そして それをピューマは間違えて
食べてしまいました。
この能力は ドクターカミバックの
けいけんや頭のうなど 
第二のドクターカミバックになれます。

【メドラ〜!どこにいったのかしら?】
それにまたメドラは道にまよい 
い次げんの世界にいました。
この世界は 空島(スカイピア)です。
このときメドラは 
なぞの家に入っていました。
ここには防具 
そしてスティクがありました。
メドラは 
それを見てうばってしまいました。
これは スカイピアで長く伝わる
透明人間あらわれ事件でした。 
そして みんな家へ帰りました。
すると家に悪のグループかん部が
いました。
そして その悪まのグループの人に
みんな飛ばされてしまいました。
みんな同じ島に飛ばされました。
そして その島は
悪のグループせんりょう地鬼ヶ島でした。

銀賞 小2年 みみちゃん(学び舎Cotobaco)

【トーラはどんな魔女!】
この村は こわーい あのよと 
いきている このよの さかいめ。
そう ようかいのくにの中にある
まじょの村
この村は 人げんがきてしまうと、
まじょがいることがばれてしまうので、
もし この村に にんげんがきたら、
いかしておけないのです。
でも、やさしいトーラとクロは 
そんなこと したくありませんでした。
なぜかというと、
ともだちになってもらって 
たくさんの人と、
ともだちに なりたいからです。
ある日、ぐうぜん 
まじょがすきな女の子が
トーラとクロのおうちにやってきました。
「こんこん すみません。
おかあさんと はぐれてしまいましたので 
いえにはいらせてください」
ドアをあけると 目のまえに 
小さな女の子がいるので、
トーラとクロはびっくり!!
「あらまあ一日だけよ。
けど、一つききたいな。
あなたは 人げん?まじょ?ようかい?」
「人げんです。」
と女の子はいいました。
トーラは女の子をベッドのへやへいれて 
ねかせました。
そしてトーラは 
トーラのへやにもぐりこみました。
トーラは 
みんなにみられるとおもっていて 
かえすのか どうするのか 
かんがえていました。
つぎのひ トーラは小さいこえで、
ちょっと一人ごとをいいました。
「本とうに・・・どうしよ」
すると ふくろうのクロが
「トーラ・・・どうしたの?」
と、しんぱいそうに
トーラにききました。
「きょう、できれば 
さようならをいいたいんだ・・・
ほうきでとぶから 
みんなにみられちゃうかも。
ちょくせつ 
さよならをいうじかんなんて 
あまりないの・・・は、そうだ!!」
よるになりました。
きょうはまん月 
ほしがぴかぴかひかっています。
トーラはねた女の子を
すみれいろのマントでかくして、
いえにおくりました。
そして てがみをおいて、
さようならをしました。
つぎのひ、あさ女の子はてがみをみて
「ゆめじゃなかった!!」
とつぶやきました。
これでかしこくて
村一ばんのまじょトーラの
おはなしは
まだまだつづきます。

【あら!だれか きたのかしら?】
目のまえに、
まえに出会った女の子が
立っていたのです。
女の子はまえよりも 
せが高くなっていました。
しかも、黒ねこをだいていたのです。
トーラがしばらくみていると、
「わたし、まじょになりたいの。
いつもべんきょうをくりかえしてたの、
でも・・・もうあきらめかけたと・・・
トーラおねえちゃんのところへ
行けばいいかなーって思って・・・・」
するとトーラはこういいました。
「どんなまじょになりたいの?」
おんなの子は、
目をキラキラさせながらいいました。
「わたしね、えほんでみたんだけど、
『どうぶつと話せる!!』
っていうまじょが
とってもあこがれなの!!」と・・・
「どうして?」
と、トーラはいいました。
「どうぶつと なかよくなりたいの!!」
と女の子
「わかったわ。
けど おかあさんにあえなくなるわよ 
それでもいいの?」
「うーん、一しゅんだけ 
このこと 
はなせられるようにしてくれる?」
「わかったわ。」
「コロコロライトキラキラライト!!」
とトーラは、じゅもんをいいました。
「うそ!!
はなせるチョコちゃんとはなせる!!」
「まじょになれたわ。
すむところがないから、
わたしのおうちで
がまんしてくれるかしら?」
「はいっ!!」
トーラには 
あたらしいメンバーができました。

【トーラ!どうする?】
「だいじょうぶですか?」
前かいできたあたらしいなかま 
じこしょうかいがおそかったですね。
このこのなまえはミーラ。
このまじょのろう人は、
長生きのことでゆうめいでした。
ですが、とうとう 
おもいやまいにかかってしまい、
そのしりあいが
「たすけてくれ。」
とたのんだので きています。
「ごほっごほっ」
くるしそうです。
「めまいのまえに 
なにかさわったりしましたか?」
トーラがききます。
「ごほっごほっ うーむたしか ごほっ 
すうじつまえに 
ねこをさわったようなー 
ごほっ。」
ミーラは、
『ねこアレルギーかしら。』
とおもっていました。

【メドラ!どんな魔女かしら?】
「おしらせありがとう 
さっそくしらべにいって 
ともだちになろう。ねっ❤ミーラ。」
「うん。まじょのともだち 
つくりたいしおもしろいし。」
するとくまがいいました。
「けど・・・
わふうのふくがメドラはすきだから、
きていくといいよ。」
ともだちづくりにふたりはのりのり。
「さっそくいくか。」
わふうのふくをきてドアをあけました。
ほうきですべりおりて 
一けんの小さないえにはいると、
わふうふうの女の人が!!
「はじめてのおきゃくさまが・・・」
「なかにお入り。」
あまいくちょうです。
しかもせいざをしています。
ミーラはみおぼえがあるかのように、
くびをかしげています。
「あの あの こんにちは。
わたしはトーラです。
このこは、ミーラ。」
「そう・・・
あとでミーラ おかに行かない?」
「はい。」
「トーラねえさん みみかして。」
「わたしの学校で
おせわになったおねえさんだよっ!!」
「え〜〜」「しっ。」「だいじょうぶ?」
「うん。」
「ねえ、なんのまじょになったの?」
つくと、すぐきかれた。「どうぶつ!!」
メドラは、「そうなの。たいへんね。」
と言いました。
「トーラねえさん 
ねこアレルギーじゃない?」
『あっそっか 
この村ではアレルギーしらないだ・・・』
「あのおばあさん
ねこをさわったあと手あらった?」
「しなかっ・・・たのぅ。」
「ねえ、トーラねえさん 
ねこのびょうきをなおせる 
じゅもんはない?」
「んーと、あっ 
これ〇〇〇〇〇〇よ。」
「うん〇〇〇〇〇〇」
とたんに 
ろう人は、きゅうにせきをしなくなり、
六日目には 
いつもどおりのおばあさんになって、
ミーラは じぶんがまほうつかいになれて
1日1日と、えがおが 
すてきになっていくのでした。

銅賞 小4年あおいちゃん(アプレ・レコール)

【トーラはどんな魔女?】
トーラは 人間のことが大すきで、
人間の役に立ちたいと思っていました。
でも、それはひみつ。
なぜなら まじょの世界では 
人間はきらわれていたからです。
でも ある日 トーラは 
もうがまんしきれなくなって
人間界へ旅にでました。
もちろん、ふくろうのクロもいっしょです。
けど、トーラは どうやったら
人間の役に立てるかわかりません。
なので まずトーラは、
人間がなにをされたらうれしいか 
かんさつすることにしました。
トーラは ほうきにのって 空をとんで 
町をよくみました。
「人間は なやみをかかえているのね。」
トーラは町全体をみて、
そうだんするお店が 
多いことに気づきました。
そこで、トーラは 
おなやみそうだんしつを
ひらきました。
けど、人がまったくあつまりません。
でも トーラはあきらめずに、
どうやったら 人が集まるか考えました。
そして、人間界では、
「新聞」というものが
あることをしりました。
「そうよ! 新聞なら、
いろんな人にしってもらえるわ!」
トーラは さっそく、クロにたのんで、
自分で作った新聞をゆうびんばこに 
いれてもらうことにしました。
「明日がたのしみだわ!」
トーラは わくわくしてねむりました。

【あら!だれか きたのかしら?】
けど、きてくれたのは、たった一人。
トーラは がっかりしたけど
「せっかく きてくれたのよ!」
とおなやみを かいけつしようと 
いきごみました。
そうだんしにきたのは 
赤毛の女の子アミです。
「わっ わたし ゆうきがないの 
でも!
はっぴょうかいで
主役にえらばれちゃって…
どうやったらゆうきがもてる?」
トーラはちょっとびっくりしました。
「そんな 小さな声なのに 
主役は…本当に大じょうぶかしら?」
とおもったからです。
そんなトーラに 
いい考えがうかびました。
「アミさん 
いっぱい れんしゅうすればいいのよ!!」
「えっ?でっでも…」
「大じょうぶ!わたしが先生になるわ!」
それから1週間アミとトーラは 
たくさんれんしゅうしました。
「トーラさんありがとう!
ちょっと ゆうきがもてたきがする!」
アミは はきはきと 明るい声でトーラに
うれしそうに 言いました。
でも、アミは げきの日、
かぜで学校を休んでしまったのです。
トーラは 落ち込みました。
けどアミは 次の日 にっこりわらって
「トーラさんのおかげで 
自信がもてたよ! ありがとう!」
といってくれました。
トーラは 少しびっくりしたけど、
とてもうれしくおもいました。
「人間の役に立てたわ!!」
トーラは 
うれしくって うれしくって 
その日の夜は 
なかなか ねつけませんでした。
それに、
アミがトーラのそうだんしつのことを
友だちに話してくれたおかげで 
お客さんがふえました。
トーラはよろこびました。   
まだ、まじょの世界で おそろしいことが 
おこっているとも知らずに…
トーラは 
次々になやみをかいけつしてきました。
トーラは 人間の役にたてたので、
ひさしぶりにまじょの世界に
帰ることにしました。
そう!トーラは人間の世界にいすぎて、
自分が 
まじょの世界からぬけだしてきたことを
わすれていたのです。
ところが まじょの世界は 
大さわぎでした。
ながいあいだ ふういんしてきた
黒まじょの女王ディモンドのふういんが 
とけてしまったのです。
ディモンドは昔、まじょトラルによって、
ふういんされました。
そう、トラルは トーラの先ぞ 
だったのです。
トラルは
「わたしの子そんは ぜったいに 
まじょの世界からでないこと」
というおきてを作っていたのですが、
トーラは そんなことを
すっかりわすれてしまったのです。
トーラはかなしくなりました。
「自分は、
人間の役に立ちたかっただけなのに…」
トーラは これは自分のせいだと思い、
すっかり 元気がなくなってしまいました。
そのとき、アミの声が聞こえました。
「トーラさん がんばって!」
トーラは はっとしました。
「これはわたしのせきにんよ。
わたしがどうにかしなくっちゃ。
それに、まじょ世界が黒まじょに 
しはいされてしまえば、
人間界にも きがいがおよぶわ」
すると、トーラに 
きらきらとした雨がふってきました。
「わあ」トーラは まりょくの力が 
ぐーんと上がったきがしました。
トラルのおきてには、
つづきがあったのです。
「ただし、もしぬけだした場合は 
本人が自分の非をみとめれば、
わたしの力をあたえる」と…
トーラはディモンドとたたかいました。
ディモンドはとても強くて、
トーラもよけるのがやっとでした。
「おほほほほ、
あなたなんてひねりつぶすわ!!」
「くっ…」
トーラはなんとかよけながら
こうげきしました。
「アランド!水のまほう!」
「エラメスト!火のまほう!」
ディモンドは
まったく弱っていませんでした。
でも、トーラは
だいぶ弱ってしまいました。     
「おーほっほっほっほ」
トーラはさいごの力を
ふりしぼっていいました。
「デシグリト!」
それはまじょにとって
さいこうでさいごのまほうでした。
そのまほうを使うと、
エネルギーが強力で、
命をきけんにさらすのです。
「ぐわぁー」
ディモンドは 
またふういんされました。
「トーラ!」
まじょたちがかけよります。
トーラは たおれてしまったのです。
「う、うーん」
トーラは目をさましました。
「やったー!!」
まじょたちがかんせいをあげます。
それから、トーラは 
人間界へもどりました。
トーラだけではありません。
ほかのまじょもいっしょです。
トーラが人間のことを伝えると、
まじょの女王が
「ふむ…
人間には いい人間もいるのだな」
と人間界へまじょがいくことを
ゆるしてくれたのです。
トーラのおなやみそうだんしつ、
あなたの前にあらわれるかも…!?

創作物語 特別賞 アガサクリスティー賞

作家デビュー賞 小4年よしき君(スクールのぞみ)

【トーラはどんな魔女?】
トーラは、
村の人たちのメイドをしていて、
この日は○○さんの家、
あの日は□□さんの家と、
とても いそがしい毎日を
おくっていました。
魔法でチャチャっと料理をしたり 
そうじをしたり 
村の人たちは大助かりです。

【あら!だれか きたのかしら?】
そこに立っていたのは、
その日メイドをしていた家の
ご主人とそのおくさんでした。
ご主人とおくさんは
ドアが開いたとたん、
とてもいいにおいがして、
すぐカレーだとわかりました。
だけど、
いつも食べているカレーとは
少しちがうにおいもします。
ご主人はトーラに、
「これはなんのにおいですか?」
と聞きました。
トーラは
「どんな料理にもあう、
魔法の使える者しか知らない
秘密の材料ですよ」
と答えました。
ご主人は
「秘密の材料を
見せてもらえませんか?」
とたずねました。
トーラはすなおに
「いいですよ!」
といいました。
おくさんも見ることにしました。
秘密の材料は
ミスビチュレットといって
実には毒があるのです。
だから、毒のないところを
すりつぶしてつくります。

【トーラ!どうする?】
トーラはメイドですが、
医師の資格も持っています。
トーラは魔法でつくった薬を
老人にのませようとしました。
しかし、薬箱を
家においてきてしまいました。
取りにいこうにも
ここから家まで10kmはあります。
トーラは今もっている材料で
薬をつくろうとしましたが、
1つ足りない材料があります。
それは1つの森に
2,3こみつかるぐらいの
希少なものでした。
トーラはその材料になる実を
さがしにいくことにしました。
しかし、さがしても さがしても
見つかりませんでした。
トーラはつかれて 
へとへとになっていましたが、
とうとうその材料のもとになる実を
見つけたのです。
その実は、ハーぺアブです。
トーラは大いそぎで
老人の家にむかいました。
薬をつくると、
すぐさま老人に飲ませました。
老人は安心したように息をはくと、
トーラさんありがとうと
お礼を言いました。

【メドラ!どんな魔女かしら?】
トーラはひまが出来たら
メドラにあいさつでもしに
行こうかなと思いました。
メドラはいろいろな国を旅して
気に入った所に住むそうです。
森や動物、植物が好きで、
大自然にかこまれた所に住むのが
ゆめなんだそうです。
あと、動物や植物の気持ちが
分かるらしくて、
トーラは動物と会話は出来るけれど、
気持ちまでは分からないので、
少しおどろきました。
トーラは、
この山は動物も植物もたくさんあるから
この山に住むかもしれないと思いました。
翌日、クマから
メドラがこの山に住み始めると聞いて、
トーラはやっぱりこの山が
気に入ったのだなと
思いました。
なぜ気に入ったのか聞くと
動物や植物がたくさんいて 
あることのほかに動物が親切なこと、
これほどきれいな緑や花を
見たことがないことだそうです。
トーラはメドラが山に住み始めてから
会う機会が増えて、
すっかり友達になりました。

【トーラ!どうする?
お祭りがあるわ〜!】
トーラは人とおしゃべりするのは、
好きだけど、
にぎやかな所が苦手でした。
祭りには山の動物たちも
たくさんいました。
その中で、
山でいちばんおどるのが得意な
にわとりが犬におどりを
教えていました。
基本的なステップやふりつけのしかた
リズムなどです。
犬はすぐに覚えていきました。
そこにトーラがやって来ると、犬が
「練習の成果を見せたい。
いっしょにおどってくれませんか」
とお願いしたので、トーラは、
「もちろんいいわよ。」
といっておどりだしました。
おどっているのは、この村で一番人気の
「村の魔女」という曲です。
メドラに聞くと、
「この町はとてもいい所で気に入ったけど、
まだ見ていない所はたくさんあるから、
1年くらいでのこりを見てまわってくる」
と返してくれました。
トーラはメドラが留守にしている間、
ふくろうのクロを伝書バトがわりにして、
メドラと手紙のやり取りをすることに
しました。
クロは森の動物たちのなかで一番はやく
まるで忍者のように物音一つもたてずに
とぶふくろうなので「空飛ぶ忍者」
といわれていました。
クロの住んでいる山には、
木の実がたくさんありました。
その中で、一匹の鳥が
さくらんぼを見つけました。
とても赤くておいしそうです。
その鳥がさくらんぼをとろうとしたとき、
横から黒いものがとび出して、
さくらんぼをとり、
向こうの木の枝にとまりました。
一しゅんの出来事で
びっくりした鳥は木にぶつかって、
そのまま落ちてのびてしまいました。
鳥は少しの間、
身動きがとれなくなってしまいました。
さっきの黒いものの正体は
「空飛ぶ忍者」クロです。
クロはさくらんぼを食べようとした時、
鳥に気がつくと
「ごめん君もねらってたのか」
といい、さくらんぼを分けてあげました。
鳥は「なんだクロだったのか。」
といって、さくらんぼを食べ始めました。

【メドラ〜!どこにいったのかしら?】
『メドラがパリに?!』
「クロ、メドラは今どこにいるの?」
クロがメドラへの手紙を届けて
帰ってきた時、
トーラが聞きました。
クロは「えっとフランスのパリ」
「パリ!そんな所まで飛んできたの?」
トーラがおどろいて聞き返しました。
「へぇ〜メドラがパリに」
トーラがやっと落ち着いてきました。
メドラが村をはなれて
5ヵ月がたちました。
トーラとメドラは手紙のやり取りを
もう何十回もしています。
次の日、メドラから返事がきました。
「パリに着いたとたん、
なぜか落ち着く感じがしました。
にぎやかだけど、
おだやかなふんいきもあって
とても良い素晴らしい街だと
私は思います。
パリに来て本当に良かった。
トーラも来たら?」
トーラはさそいを受けて
すぐさま行くとこにしました。
メイドの仕事はしばらく休んで
パリに行ってくると
村人たちに伝えると
クロといっしょにほうきにのって
あっという間に行ってしまいました。

【夏の冒険】
『フランスでの1週間』
トーラはフランスへ超特急で行きました。
フランスに着くとメドラはメドラ特製の
パン「トレビアン・シャンミー」と
お茶で歓迎してくれました。
パリは青々とした大小様々な並木が
たくさんあり、
とてもすてきな街並です。
夜になるとビルやエッフェル塔の光が
宝石のように輝いています。
夜も昼もとても美しい街だと思います。
そこには、茶色いかべに黒い色のドアと
看板があるおしゃれなカフェがあります。
中に入ると、時計のとびらが開き、
3時を知らせる小鳥のさえずりが
聞こえました。
トーラはハーブティーとクッキーを
メドラはコーヒーとフルーツタルトを
注文し二人はカフェの中を
まんきつしていました。
カフェには大きなガラスケースがあり、
ビルマニシキヘビが展示されていました。
お金を払えばさわることもできるし、
一緒に写真をとることもできるそうです。
メドラはヘビにさわるのは
初めてだったけど、
トーラは山のヘビと会話をして、
もちろんさわってもいたので、
ヘビにさわる時は慣れているようでした。
トーラはヘビにさわっているうちに、
山のヘビに会いたくなってきました。
「ねぇ、メドラ!
もっとたくさんのヘビに会いにいかない!」
「いいけど、ちょっと怖くない。」
と言いながらカフェの外に出ました。
二人は手をつないで、
なにかしらの呪文を唱えて、
つえを上にかかげると 
まわりが風でおおわれ風が
おさまったときには、
もう二人は
別の場所に移動していました。
別の場所でも
やはりパリと同じ風のうずまきが
起こりました。
おさまると、中からトーラとメドラが
出てきました。
さぁこれからどんなヘビに
会いに行くのでしょう。

作家デビュー賞 小6年 ことねちゃん(学び舎Cotobaco)

【トーラはどんな魔女!】
トーラは、村の人々にもやさしく、
おなかをすかしている子ども達には 
まほうのつえをひとふり!
すると、つえについている 
赤いほうせきが光ってパンがでてきます。
子どもたちは 
大喜びでパンをむしゃむしゃと食べます。
時には、トーラの昔に あった出き事を
村の人々に話して、
お金と交かんしてもらいました。
その話は、ものすごく おもしろい話で、
誰もトーラのことは、
悪く言わず親しくしました。・・・
「クロ。仕事だ。」
トーラとクロは、空を飛んで、
村の人々にお話をしに行きます。
村に着くと、子ども達がよってきて、
「トーラ。とっておきのお話をして。」
と言いました。
「そうだなぁ。」
トーラは少し考えたあと、
ふと思いだしたように 
話しはじめました。
「昔、この村で宝石がむすまれたんだ。
赤くきれいな宝石でね。
大切に大切に 保管されていたんだ。
だが、
その宝石が見つかることはなかった。
この村の勇者は
犯人をつかまえようとした。
そして、こう言ったんだ。
そのぬすまれた宝石は、
にせ物だってね。
本当は、にせ物ではないんだが、
それを聞いた犯人は 
ぜったいにとりかえしにくると
思ったんだろう。
勇者は犯人をにがしてしまった。
あぁ。なつかしいな。
スリルまんてんで 楽しかったよ。
ではまた。」
そう言って
赤い宝石のついたつえを片手に 
そらを飛んで帰っていくトーラとクロを
村の人々は、声がでないまま 
ただ見つめるだけだった。

【あら!だらかきたのかした?】
「ギィ。」ドアをあけると、
剣が目の前を通り過ぎていた。
「ダレダ。ダレダ。」
クロがさわぎ立てる。
トーラは落ちついたまま、
「何をしにきたんだ。」
という。
そして、
トーラはなべをかきまぜ始めた。
「我はこの村の勇者だ。
ぬすんだ宝石を返してもらうぞ!」
勇者は剣をかまえる。
そのしゅん間・・・ザバァ。
トーラがさめかけのなべの中身を
不思議な植物ですくって、
勇者になげた。
すると
「あれ?私はこんな所で何を。」
勇者は記おくを無くしたまま
家へ帰っていった。
「前は、とんでもないことを
話してしまったからねぇ。
記おく薬がまに合って良かったよ。」
そして、
トーラは大きな黒いなべの上で
ぶきみに笑った。

【トーラ!どうする?】
トーラは老人に、
「大丈夫ですか。」
ときいた。
すると老人はカっと目をひらき、
にくしみの声でこう言った。
「大丈夫なものか。
わしのまごは勇者だったが 
いままで、戦いに行った時の記憶を
なくしてしまったんじゃ!
そのショックで、わしはこのさまじゃ。
こんなことができるのはトーラ、
お前だけじゃろ。
今まで どんなにいいことをしたって、
わしはお前をゆるさない。
まごのかたきをうってやる。」
そういうと、老人は
「今だ!」
とさけんだ。
すると、うしろにあるおし入れから、
1ぴきのドラゴンがでてきた。
なんと老人もまほう使いだったのだ。
トーラはとっさにバリアを作って
ドラゴンのこうげきをカバーする。
そして、あらかじめもっていた、
記憶薬を老人になげつけた。
老人はとっさにカバーしたが、
まに合わなかった。
老人は、頭から薬をかぶり 
きをうしなってしまった。
ドラゴンは、いつのまにか消えている。
まぼろしだったのだろう。
トーラは 老人をベットにねかした後、
クロがいる家へと向かっていた。

創作物語 特別賞 ベストノベル賞

ベストノベル賞 高2年ほのちゃん(スクールのぞみ)

【夏の冒険】
夏の終わりに虫が鳴く夕方、
魔女のトーラは 家の本棚の前に 
積みあがった本を片づけている
真っ最中でした。
どの本も手にとったら
読んでしまいたくなるため、
片づけは昨日から
一向に進んでいません。
トーラはやっと読み終えた本を
パタンと閉じました。
「今度こそ ちゃんと片づけなくては!」
ところが、そう声に出した途端 
一冊の古い本に目が止まりました。
小さな宝石が 埋め込まれた表紙には 
手書きのサインでA と書いてあります。 
その時、トーラは思い出しました。
その本は ずっと昔、
祖母からもらったものだったのです。
でも その頃 トーラは 
使えるようになったばかりの魔法に夢中で、
この本なんて 
まったく開きもしなかったのです。
「これを 気に、
読んでみるのもいいわね」
そうつぶやいたトーラは
大きな本を手に取り、
ゆっくりと表紙を開きました。
一週間がたっても、
トーラはまだあの本のことを
考えていました。
そこには
時の流れさえも超えることが 
出来るという大魔法の使い方や、
それを書いた魔女が
訪れた国のことなどが 
書かれていました。
いつか そんな魔法を 
使えるようになりたいと 
夢見ながらも、
トーラが惹かれたのは 氷の国の話。 
細かく描かれた絵や地図の中に、
壮大な真っ白の世界が
いきいきと描かれていたのが 
忘れられないのです。
そして その国のとある洞窟の中には 
大きな竜が住んでいると
書いてありました。
その本は そのことを最後に、
途切れるように終わっていました。
「ここに描いてある絵は
本当に本当のものなのかしら。
もしそうなら、
そこにはどんな動物たちの物語があって、
どんな景色が広がっているの?
ああ、
その竜を一目でいいから見てみたい!」
そう思ったトーラは
口に出していました。
「そうよ、私は一度見てみたいんだわ。
そこへ行って、
その場所を自分の目で見て確かめたい。
でも それは
どれだけ先になってしまうのかしら」
今までだって、ト
ーラが行きたい場所は沢山ありました。
でも そんな余裕がなかったり、
やりたいことが 
たくさんあったりしたため、
随分長いこと 
この町から出ていません。
そして その時 憧れていたものは、
いつの間にか
どうでもよくなって
忘れてしまうのでした。
でも、忙しい夏が終わった今は
時間がたっぷりとあります。
「今、行くべきだと思うのよ。私は」
立ち上がったトーラのやることは 
もう決まっていました。
今すぐ冒険の準備と計画を
立て始めるのです。

それから何週間もかけて、
トーラは地図を片手に 
大きなリュックを背負って歩きました。
瞬間移動の魔法などを使えるのは
本当に優れた魔女のみなのです。
森の中や 大きな草原を進むのは
どんなに不便なことがあっても
心がワクワクと踊るものでした。
途中、道を間違え
立ち寄ったいくつもの町で、
トーラはたびたび誰かの病気を
治したりもしました。
そして最後は 
馬の背中に乗せてもらい、
いくつもの山を超え
たどり着いた草が生い茂る海岸で、
トーラは 出会った鹿に聞きました。
「この海の向こうに
氷の国があるっていう話を、
あんたは知っている?」
ところが、鹿は言いました。
「わたしはこの土地以外のこと、
ましてや海の向こうのことなど
興味もないから 知らないね」
トーラはもう一度 
地図を確認しましたが、
地図に描かれている景色とここは
まったく同じでした。
決心したトーラは 
魔法で小さな船を作ると、
夜明けと共に
深い青の海へとこぎ出しました。
海岸はだんだん後ろへと見えなくなり、
辺りは一面の海と空だけになりました。
目の前では沈みゆく眩しい太陽が、
水平線の向こうの空を赤く染めています。
その時、船がぐらりと揺れました。
トーラが 振り返ると、
大きな波が近づいてきています。

船から 身を乗り出すと、
その下には 
何十メートルもある巨大なクジラが 
泳いでいました。 
その時、突然 耳が割れるかと思うほど
大きな音をたて、
海面が空へと吹きあがりました。
それと共に、あの巨大なクジラが
海から飛び上がり、
空中で舞い踊るように回転しました。
辺りには 竜巻のような波が押し寄せ、
水しぶきが降り注ぎます。
トーラの乗った船は
右へ左へと傾きます。
それでも、トーラは心を奪われたように
空に浮かんだクジラを見上げていました。
それは ほんの一瞬のことでしたが、
クジラが再び大波をたてて
海の底へと潜るまでは
一時間もたったかのように
感じられました。
やっと水平線の向こうに
白い海岸の片端が見えたのは、
辺りがすっかり暗くなったころでした。
トーラは後ろを振り返りましたが 
そこには遥か遠くまで続く海が
揺れているだけです。
波がトーラの方へ押し寄せてきて、
力強く船を押します。
「戻りなんかしないわ。
ほら、海岸が見える。 
あの国はもうすぐそこなのよ!」
そして船が着くなり、
トーラは一目散に走り出していました。
そこは本に描かれていたとおり、
暗闇の中に
氷と雪で出来た大地と夜空の間に
氷山がたつのみの世界だったのです。
「この地面も、あの地面も、
あの山も全部氷でできている。
それ以外は、なんにもないんだわ!」
そう叫んだトーラの声さえも
吸い込む静けさの向こうで、
波の音だけが響いていました。

それから次の日、またその次の日と
トーラは馬と一緒に
この国を歩き続けました。
                        
魔法を使えば
それほど寒くもありませんでしたし、
食べ物だってリュックから
いくらでも出てきました。
辺りには
丘のように盛り上がった小さな雪山や 
斜面が沢山あります。
その中でもひときわ高い場所は、
地平線まで白く光る景色を
見渡すことも出来ました。
それ以外は何もない大地でも、
トーラは遥か昔、
あの本を書いた魔女と自分が
同じ場所にいると思うだけで
まるで夢を見ているかのような
気もちになりました。
ある夜、
トーラはテントを張った横で
たき火を起こし、
もう一度切り取ったあの本のページを
読んでいました。
竜がいると書いてあるのです。
呪文を唱えないと入れない
どこかの洞窟の中に、
竜はいるのです。
それはきっと
大昔から生き残っている最後の竜で、
誰にも知られずに
そこで暮らしているのです。

その時、どこからか水の音が聞こえ、
トーラは辺りを見回しました。
少し離れた地面にあいていた穴の横で
生き物が動いていました。
それはやがてゴロゴロと転がったあと、
動かなくなりました。
初めて見る生き物に
注意深く近寄ったトーラは、
そっと話しかけました。
「あのー…こんばんは」
振り返ったその動物を見て、
トーラはいつか本で読んだことを
思い出しました。
そうだ、
この動物はアザラシといったかしら。
アザラシはしばらく
トーラを見つめたあと言いました。 
「昼寝をしていたんだけれど」
「でも もう夜だわ」
そうトーラが答えると、
アザラシは起き上がって言いました。
「君は 魔女だろう?」
「どうしてわかるの」
「とんがり帽子に
火が出せる杖なんてものを 
持っている人は、
君の他に知らないからね」
「正解。私は魔女だわ。
遠い国からここまできたの」
「何をしに来たんだい」
少し考えたあと、
トーラは答えました。
「そうね、ちょっとした冒険よ。
氷だけの国とやらを、
一目見てみたくてね」
「いいねえ」
アザラシはそう言うと
再び目を閉じました。
トーラがテントへ戻ろうと
立ち上がります。
すると、アザラシが言いました。
「さっき、僕は君のような人は
見たことがないっていっただろう?」
「ええ」
「実は君の他にもう一人だけ、
とんがり帽子と長い杖を持った人を
知っている。
彼女は魔女で、
この国に住んでいたんだよ。
もう、後姿しか覚えていないくらい
ずっとずっと昔の話さ」
驚いたトーラは聞き返しました。
「それは……本当に?!」
本当だよ、
とアザラシは言いました。 
「あのね、私はある洞窟を探しているの。
こんな形をした氷山の中にある。
あんたが話していた魔女が
訪れた所だと思うわ」
そうトーラは言うと、
魔法を使い氷の上に絵を書きました。
アザラシは言います。
「わからないな、
僕は陸のことについては
あまり詳しくないからね。
ただシロクマには気を付けた方がいい。
やつらにあったらおしまいさ」
そしてふと思い立ったように
氷にあいた穴の中へと 
飛び込むと、言いました。
「君、魚を食べるかい」
「えっ、こんなところに魚がいるの?」
「なに、氷の下ならいくらでもいるさ」
それきり、
アザラシは穴の中へと
見えなくなりました。
「なるほど、この下は海なのね」
とトーラはつぶやきました。
トーラは
あのアザラシが捕ってきてくれた魚に
魔法をかけるとリュックの中に入れ、
洞窟を探しに出発しました。
馬に乗って
何もない真っ白な大地を走ります。
時々、白いキツネや
大きなくちばしを持った鳥の集団などを 
見かけることがありましたが、
アザラシのように話をしてくれたものは
いませんでした。
それでも、
だんだんと
空に黒い雲がかかりはじめていても
氷の国はとても美しく、
トーラは すっかりその景色に
魅了されてしまっていました。

そうしてある夜、
トーラがたき火をしていると後ろから 
雪を踏みしめる足音がしました。
一瞬あのアザラシかと思いましたが、
それにしても足音は重く、
トーラは恐る恐る振り返りました。
ランプに照らせば、
遠くから、白く大きな獣がこちらに 
のしのしと迫ってきているのが
見えました。
(ただ シロクマには
気を付けた方がいい。
やつらにあったらおしまいさ…)
そんなアザラシの言葉が蘇り、
トーラは背筋がすうっと 
寒くなるのを感じました。
魔法の杖はテントの中にあります。 
急いで とりに戻らないと!
ゆっくりと後ずさりをする間にも、
クマはこちらへと近づいてきています。
その牙は確かに尖っていて、
鋭い爪はとても恐ろしく見えました。
ついに立ち上がりテントの中へと
トーラは逃げ込みました。
馬には申し訳ないですが、
ぴしゃりとカーテンを閉めます。
ところが、しばらく時がたっても
何もおこる様子がありません。
トーラがそっと隙間から覗くと、
シロクマは
たき火の横で焼いていた魚を
全て引き抜いている最中でした。
そして一瞬トーラを見て目を細めると、
魚を加え、くるりときびすを返すと
どこかへと去ってゆきました。
大きく息をついたトーラは
テントから出ると、
小さく笑いました。
「魔女はおいしくないわよ」

次の日、
トーラが歩いていると
ついに目の前には 
あの氷山が見えました。
思わず、
足がそこへと走り出していました。
大きな大きな氷山のふもとには、
石で出来た扉があり、
何かの文字が描かれています。
「この中に地球最後の竜がいるのね」
トーラは
威勢よく扉を開く呪文を唱えます。
ひゅうっと風が巻き起こり、
扉を押しました。
すると、扉がガチャリと音を立てると、
ゆっくりと開いたのです。
中は暗く、よく見えません。
トーラは緊張しながらも
一歩踏み出しました。
氷で出来た地面は固く、
今にも滑りそうです。
あまりにも中が暗いため、
トーラは杖に灯りをともしました。
すると、遥か上の天井から
青く輝くつららが沢山つるさがり、
まるで水晶のような
氷で囲まれた広い洞窟の中に、
何かをくわえた竜が
立っているのが見えました。
息をのんだトーラは
杖の灯りを消すと、
暗闇に目をこらします。
ところが、竜が動く気配は
全くありません。
再び杖に灯った光とともに、
おそるおそる近づくと、
そこにあったのは
大きな竜の置物でした。
本物ではないと知っても、
トーラは置物を長いこと 
見つめていました。
すると、その尖った牙を持つ口が
本をくわえていることに
気がつきました。
それは遥か大昔から
そこにあったのかと思うほど、
古い本でした。
「何だろう」
とそこまで言って、
トーラは目を見開きます。
表紙には丁寧に大きく
アルファベットのAと
掘られていました。
トーラが祖母からもらった本と
全く同じ形でした。
トーラは帽子を深くかぶりなおすと、
その本を両手で抱えました。
それはずしりと重く、
まだしっかりと形を保っています。
本の中身は古い魔女の言葉で
書かれていて、
トーラにはよく読めませんでした。
ただ、表紙を開いた1ページ目には、
簡単な言葉づかいで
大きく書かれてあったのです。
「竜も 私も、もういない。
この本は見つけた者に授ける」…と。

それから何日もが立って、
トーラが氷の国の入口あたりに
帰ってくると、
そこにはまた
あのアザラシが寝そべっていました。
「やあ。 まだここにいたとはね」
と彼は言いました。
「ええ、それよりこの本を見て。 
洞窟で見つけたの」
そう言って、トーラはアザラシに
一部始終の話をして聞かせました。
アザラシはそれを聞いて
ちょっと悲しそうに笑うと言いました。
「この地にあまりに長くいる旅人はね、
病気になってしまうのさ」
「病気? なら私、治せるけれど」
「いや、君にも治せないと思うよ。 
みんな突拍子もないことを
いきなり言いだしてね。
それきりどこかへと消えてしまう。
君がいうあの魔女もそうだったよ」
「え?」
「あの星の美しさに
すっかり飲み込まれて、
突然あの星へ飛んでいくと
言いだしたんだ。
ある日、
恐ろしい生き物を連れて
あの一番高い山へと 登っていったよ。 
それきり、
彼女の姿を見たものはいないのさ」
「どうしてそんなことを知っているの。
ううん、
最初に教えてくれたらよかったのに」
アザラシは楽しそうに笑います。
「まあその本を見つけられたんだから
いいじゃないか」
この厚い氷は、何か魔法を隠している。
トーラはそんなことを思いながら
立ち上がりました。
「ありがとう。
私は、もう帰るわ。この本を持って」
アザラシは手を振ると言いました。
「うん、さようなら」
そうして、トーラは再び馬に乗ると、
自分の家へ向けて出発しました。
さあ、本には何が書いてあるのか、
調べないといけないことが
またひとつ増えたのです。

 

 

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